二級建築士の過去問
令和元年(2019年)
学科1(建築計画) 問10

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問題

二級建築士試験 令和元年(2019年) 学科1(建築計画) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の環境負荷に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • CASBEE(建築環境総合性能評価システム)は、建築物の環境性能について、建築物における環境品質と省エネルギー性能の二つの指標により評価するものである。
  • 大気中の二酸化炭素濃度の上昇は、ヒートアイランド現象の直接的な原因とはならない。
  • 暖房デグリーデーは、ある地域の統計上の日平均外気温と暖房設定温度との差を暖房期間で積算したものであり、暖房エネルギー消費量の予測に使われる。
  • ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、断熱性能の向上や高効率設備・再生可能エネルギーの導入により、年間の一次エネルギー消費量の収支を0(ゼロ)とすることを目指した住宅である。
  • 建築物におけるLCA(ライフサイクルアセスメント)は、建設から運用、解体に至る一連の過程で及ぼす様々な環境負荷を分析・評価することをいう。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は1です。

1.誤りです。
 CASBEE(建築環境総合性能評価システム)とは、建築物の環境品質を、建築物の環境負荷で割った値です。

2.正しいです。
 ヒートアイランド現象の主な原因は、緑地や水面の減少、アスファルトやコンクリートに覆われたインフラの増加、建物や自動車からの排熱等が挙げられます。

3.正しいです。
 暖房デグリーデーの値が大きいほど、暖房に必要なエネルギーが増えることを表します。
 冷房も同様に、冷房デグリーデーとして考えることができます。

4.正しいです。
 ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)のように、エネルギーの収支を概ね0とする取り組みが注目されています。

5.正しいです。
 資源やエネルギー消費量、二酸化炭素の排出量、窒素酸化物の排出量等を建物のライフサイクル全体で評価する考え方です。

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02

1. 記述は誤りです
 CASBEEは建物の環境品質や性能を建物の外部環境負荷で除した指標になります。
省エネルギー指標による評価はBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)になります。

2. 記述は正しいです
 ヒートアイランドは、都市化の影響で周辺部よりも気温上昇がみられる現象であって、二酸化炭素の排出との因果関係はありません。

3. 記述は正しいです
 ディグリーデーはその地域の厚さや寒さの程度を読み取ることで、暖房や冷房のスペック決定をしたり、エネルギー計算の検討をしたりします。

4. 記述は正しいです
 ZEHは我が国で積極的に推進されているため、出題頻度が高い項目です。
メリット・デメリットを整理して本試験に臨むようにしましょう。

5. 記述は正しいです
 このほかに、計画から建設・運用・管理・除却までのコストの事を「LCC(ライフサイクルコスト)」、総二酸化炭素量の事を「LCCO2(ライフサイクルCO2)」などもセットで覚えておきましょう。

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