二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科3(建築構造) 問11
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問題
二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科3(建築構造) 問11 (訂正依頼・報告はこちら)
木質構造の接合に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 構造耐力上主要な部分において、木口面にねじ込まれた木ねじを、引抜き方向に抵抗させることは避けた。
- ラグスクリューを木口面に打ち込んだ場合の許容せん断耐力は、側面に打ち込んだ場合の値の2/3とした。
- せん断力を受けるボルト接合において、座金が木材にめり込まない程度にボルトを締付けた。
- ドリフトピン接合部において、終局せん断耐力を降伏せん断耐力と同じ値とした。
- メタルプレートコネクターを用いて木材同士を接合する場合の木材は、気乾状態のものとした。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:正。
構造耐力上主要な部分において、木口面にねじ込まれた木ねじを引抜き方向に抵抗させることは避けます。
2:正。
ラグスクリュー接合を木口面に打ち込んだ場合の許容せん断耐力は、側面に打ち込んだ場合の値の2/3とします。
3:誤。
座金は、木材にわずかにめり込む程度に締め付けます。
4:正。
ドリフトピン接合部において、終局せん断耐力を降伏せん断耐力と同じ値とします。
5:正。
メタルプレートコネクターを用いて木材同士を接合する場合の木材は、気乾状態でなければなりません。
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02
最も不適当な選択肢は、
「せん断力を受けるボルト接合において、座金が木材にめり込まない程度にボルトを締付けた。」
です。
ボルト接合は、ボルトとナットの圧縮力によって部材同士や座金に摩擦力を加え、せん断力を受けます。
座金が木材にめり込んでいない状態だと十分な摩擦力が発生しないので、少しめり込む程度までボルトを締付ける必要があります。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
正しい選択肢です。
木口は、木材の繊維方向に対して直角に切断したときの断面で、年輪が見える面です。
木口面は、強度が弱く割れやすい面で、引抜方向への抵抗は期待できません。
そのため、木口面にねじ込んだ木ねじを引抜き方向に抵抗させることは避けます。
正しい選択肢です。
ラグスクリューは木ねじよりも太く、せん断力を負担できるネジです。
木口面は他の面よりも強度が弱いため、木口面に打ち込んだ場合の許容せん断耐力は、側面に打ち込んだ場合の2/3とします。
※ラグスクリューでも、木口面に打ち込んだ場合の引抜方向の耐力は期待できません。木ねじと同様に、引抜方向に抵抗させることは避けます。
不適当な選択肢です。
ボルト接合は、部材同士が密着した際の摩擦や、座金のめり込みによる摩擦でせん断力を受けるため、木材に少しめり込む程度に締付ける必要があります。
正しい選択肢です。
ドリフトピンの場合、降伏後の粘りが無く、すぐに破壊するため、終局せん断耐力と降伏せん断耐力はほぼ同じ値となります。
※ボルト接合の場合は、降伏後にボルトが木材にめり込み、ボルトが曲がっていくので、終局せん断耐力と降伏せん断耐力は異なる値になります。
正しい選択肢です。
湿潤・乾燥によって木材が伸び縮みすると、メタルプレートコネクターの歯が食い込んでいる穴の部分が広がり、メタルプレートコネクターが外れてしまうことがあります。
そのため、メタルプレートコネクターを用いる場合の木材は、気乾状態のものとします。
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03
木質構造(接合)に関する問題です。
正しい内容です。
木口面に木ねじを打込んでも、引抜き方向への抵抗力は期待できません。
正しい内容です。
ラグスクリューを木口面に打ち込んだ場合の許容せん断耐力は、側面に打ち込んだ場合の値の2/3とします。
不適当な内容です。
ボルトの締付けは、「座金が木材にわずかにめり込む程度」とします。
正しい内容です。
ドリフトピン接合においては、終局せん断耐力を降伏せん断耐力と同じ値とします。
正しい内容です。
メタルプレートコネクターを用いて木材同士を接合する場合の木材は、気乾状態のものとします。
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