二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科3(建築構造) 問20

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問題

二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科3(建築構造) 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

建築材料として使用される木材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 木材の強度は、一般に、含水率の増加に伴い低下し、繊維飽和点を超えるとほぼ一定となる。
  • 木材の乾燥収縮率は、繊維方向より年輪の接線方向のほうが大きい。
  • 木材の腐朽菌は、酸素、温度、水分又は栄養源のうち、いずれか一つの条件を満たすと繁殖する。
  • 心材は、一般に、辺材に比べてシロアリなどの食害を受けにくい。
  • 木材の強度は、曲げヤング係数の値が大きくなると高くなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1:正。

木材の強度は、含水率の増加に伴い低下します。繊維飽和点を超えるとほぼ一定となります。

2:正。

木材の乾燥収縮率は、接線方向>半径方向>繊維方向となり、繊維方向よりも年輪の接線方向のほうが大きくなります。

3:誤。

木材の腐朽菌は、酸素、温度、水分、栄養の4条件を満たすと繁殖します。どれかひとつの条件を欠くと腐朽菌は繁殖しません。

4:正。

心材は辺材よりも腐朽しにくく、シロアリなどの食害を受けにくいです。

5:正。

木材の強度は、曲げヤング係数の値が大きくなると高くなります。

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02

建築材料(木材)に関する問題です。

選択肢1. 木材の強度は、一般に、含水率の増加に伴い低下し、繊維飽和点を超えるとほぼ一定となる。

正しい内容です。

木材の強度は、一般に含水率の増加に伴い低下し、繊維飽和点を超えるとほぼ一定となります。

選択肢2. 木材の乾燥収縮率は、繊維方向より年輪の接線方向のほうが大きい。

正しい内容です。

木材の乾燥収縮率は、年輪の接線方向>半径方向>繊維方向となります。

選択肢3. 木材の腐朽菌は、酸素、温度、水分又は栄養源のうち、いずれか一つの条件を満たすと繁殖する。

不適当な内容です。

木材の腐朽菌は、「酸素、温度、水分及び栄養源の全ての条件」が満たされた環境下で繁殖します。

選択肢4. 心材は、一般に、辺材に比べてシロアリなどの食害を受けにくい。

正しい内容です。

心材は偏在に比べて含水率が低く硬いため、シロアリ食害を受けにくくなります。

選択肢5. 木材の強度は、曲げヤング係数の値が大きくなると高くなる。

正しい内容です。

木材の強度は、曲げヤング係数の値が大きくなると高くなります。

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03

最も不適当な選択肢は、

「木材の腐朽菌は、酸素、温度、水分又は栄養源のうち、いずれか一つの条件を満たすと繁殖する。」

です。

木材の腐朽菌は、酸素・温度・水分・栄養源のすべての条件を満たすと繁殖します。

いずれか1つでも条件を満たさなければ腐朽菌は繁殖しません。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

選択肢1. 木材の強度は、一般に、含水率の増加に伴い低下し、繊維飽和点を超えるとほぼ一定となる。

正しい選択肢です。

木材の強度は、含水率が増加すると低下します。

含水率が増加し続け、繊維飽和点を超えると強度の低下が止まり、ほぼ一定となります。

選択肢2. 木材の乾燥収縮率は、繊維方向より年輪の接線方向のほうが大きい。

正しい選択肢です。

木材の乾燥収縮率は、木目の方向によって異なります。

乾燥収縮率が大きい方から、接線方向>半径方向>繊維方向となるため、繊維方向より接線方向の方が乾燥収縮率が大きいと言えます。

※参考

接線方向(年輪に接する方向)

半径方向(中心から外に向かう方向、年輪に直交する方向)

繊維方向(幹の方向、高さ方向)

選択肢3. 木材の腐朽菌は、酸素、温度、水分又は栄養源のうち、いずれか一つの条件を満たすと繁殖する。

不適当な選択肢です。

木材の腐朽菌は、酸素・温度・水分・栄養源のすべての条件を満たすと繁殖します。

いずれか1つでも条件を満たさなければ腐朽菌は繁殖しません。

例えば、木杭は地下水位よりも深くまで打ち込み、常に水中に浸かった状態にすることで、酸素を遮断し、腐朽菌の繁殖を防ぐことができます。

選択肢4. 心材は、一般に、辺材に比べてシロアリなどの食害を受けにくい。

正しい選択肢です。

心材は、辺材に比べてシロアリなどの食害を受けにくく、柱などの構造材に適しています。

シロアリは柔らかい木材を好み、堅い木材を嫌います。

心材の方が辺材に比べて堅いため、シロアリなどの食害を受けにくいです。

選択肢5. 木材の強度は、曲げヤング係数の値が大きくなると高くなる。

正しい選択肢です。

ヤング係数は材料の硬さを表す指標なので、曲げヤング係数の値が大きくなると強度も高くなります。

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