二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科4(建築施工) 問8
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問題
二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科4(建築施工) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)
鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 梁・柱・基礎梁・壁の側面のスペーサーは、特記がなかったので、プラスチック製のものを用いた。
- 梁主筋を柱内に折り曲げて定着させる部分では、特記がなかったので、投影定着長さを柱せいの1/2とした。
- 鉄筋に付着した油脂類、浮き錆、セメントペースト類は、コンクリート打込み前に除去した。
- 鉄筋の重ね継手において、鉄筋径が異なる異形鉄筋相互の継手の長さは、細いほうの鉄筋径を基準として算出した。
- 梁の貫通孔に接する鉄筋のかぶり厚さは、梁の鉄筋の最小かぶり厚さと同じとした。
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この過去問の解説 (3件)
01
梁・柱・基礎梁・壁の側面のスペーサーは、特記がなければプラスチック製のものを用いても問題ありません。
2:誤。
梁主筋の柱内折り曲げ定着の投影定着長さは、柱せいの3/4倍以上です。
鉄筋に付着した油脂類、浮き錆、セメントペースト類は、コンクリート打ち込み前に除去します。
4:正。
「鉄筋径×◯(◯は決められた数値)」によって継手の長さが決まるため、細い方の鉄筋径を当てはめた方が数値が小さくなります。
よって、重ね継手において、径の異なる鉄筋の継手は細い方の鉄筋径を基準として算出します。
例)細い鉄筋径10、太い鉄筋径20、◯を25とすると、
「10×25 = 250」と「20×25 = 500」となります。
継手の長さが「250」必要な鉄筋と「500」必要な鉄筋を使う場合、
太い鉄筋の数値「500」を基準とすると、
細い鉄筋の条件を満たさなくなってしまいます。
細い鉄筋の数値「250」を基準とすると、
細い鉄筋と太い鉄筋のどちらの条件も満たせます。
よって、細い方の鉄筋径を基準とする必要があります。
梁の貫通孔に接する鉄筋のかぶり厚さは、梁の鉄筋の最小かぶり厚さと同じにします。
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02
最も不適当な選択肢は、
「梁主筋を柱内に折り曲げて定着させる部分では、特記がなかったので、投影定着長さを柱せいの1/2とした。」
です。
投影定着長さは、柱せいの0.75倍(3/4倍)以上とします。
柱せいの1/2では短すぎます。
各選択肢の解説は以下のとおりです。
正しい選択肢です。
スペーサーは、梁・柱・基礎梁・壁・地下外壁の側面に限り、プラスチック製のものを使用できます。
通常は、鉄製・コンクリート製・モルタル製とします。
※モルタル製のスペーサーは、2022年のJASS5改定によって使用できるようになりました。
不適当な選択肢です。
柱せいとは、柱断面の長さのことです。
投影定着長さとは、梁主筋を直上から見下ろした時の、仕口面から先端部までの長さのことです。
投影定着長さは、柱せいの0.75倍(3/4倍)以上とします。
柱せいの1/2では短すぎます。
正しい選択肢です。
鉄筋に付着した油脂、浮き錆、セメントペースト等はコンクリートと鉄筋の付着を妨げるため、コンクリート打込み前にワイヤブラシなどで除去します。
正しい選択肢です。
異なる鉄筋径の場合の継手長さは、細い方の鉄筋径を基準として算出します。
※参考
細い鉄筋と太い鉄筋で継手をする際、太い鉄筋に細い鉄筋の耐力を持たせることはできますが、細い鉄筋に太い鉄筋並みの耐力を持たせることはできません。
そのため、細い方の鉄筋の継手長を基準とします。
正しい選択肢です。
梁の貫通孔に接する鉄筋(あばら筋、腹筋など)のかぶり厚は、梁の鉄筋の最小かぶり厚と同じとします。
なお、梁の貫通孔と干渉する腹筋は、最小かぶり厚を確保した上で切断しても良いです。
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03
鉄筋工事に関する問題です。
正しい内容です。
スペーサーは特記がなければ側面に限りプラスチック製を使用することができます。
その他はコンクリート製、鋼製とします。
不適当な内容です。
投影定着長さは原則柱せいの「3/4」倍以上とします。
正しい内容です。
鉄筋に付着した油脂類、浮き錆、セメントペースト類は、コンクリートの付着性能を阻害する恐れがあるため、コンクリート打込み前に除去する必要があります。
正しい内容です。
鉄筋の重ね継手において、鉄筋径が異なる異形鉄筋相互の継手の長さは、細いほうの鉄筋径を基準として算出します。
正しい内容です。
梁の貫通孔に接する鉄筋のかぶり厚さは、梁の鉄筋の最小かぶり厚さ以上とします。
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