二級建築士の過去問
令和3年(2021年)
学科4(建築施工) 問13

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問題

二級建築士試験 令和3年(2021年) 学科4(建築施工) 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 柱の溶接継手におけるエレクションピースに使用する仮ボルトは、高力ボルトを使用して全数締め付けた。
  • 作業場所の気温が4℃であったので、溶接線から100mmまでの範囲の母材部分を加熱して、溶接を行った。
  • 溶接部に割れがあったので、溶接金属を全長にわたって除去し、再溶接を行った。
  • 溶接部にブローホールがあったので、除去した後、再溶接を行った。
  • スタッド溶接の溶接面に著しい錆が付着していたので、スタッド軸径の1.5倍の範囲の錆をグラインダーで除去し、溶接を行った。

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この過去問の解説 (3件)

01

1:正。

エレクションピースは、柱の接合部の仮接合に使用するものです。

エレクションピースの仮ボルトは高力ボルトを使用し、全数締め付けます。

2:正。

気温が-5℃~5℃のとき、溶接線から100mmまでの範囲の母材部分を加熱して、溶接を行います。また、-5℃を下回る時は、溶接を行ってはいけません。

3:正。

溶接部に割れがある場合は、溶接部を全長に渡って除去し、再溶接します。

4:正。

ブローホールは、ガスによって発生する溶接部の空洞のことです。

溶接の欠陥のため、アークエアガウジングによりはつりとって除去し、再溶接をします。

  • 5:誤。

スタッド溶接の溶接面に著しい錆が付着していた場合、スタッド軸径の2倍以上の範囲の錆をグラインダーで除去し、溶接を行います。

1.5倍の範囲では不十分のため、誤答です。

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02

最も不適当な選択肢は、

「スタッド溶接の溶接面に著しい錆が付着していたので、スタッド軸径の1.5倍の範囲の錆をグラインダーで除去し、溶接を行った。」

です。

スタッド溶接面に水分・・塗料・亜鉛めっき等があると健全な溶接ができないことがあるので、グラインダー等で錆を除去して溶接します。

その場合の除去の範囲は、スタッド軸径の2倍以上とします。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

選択肢1. 柱の溶接継手におけるエレクションピースに使用する仮ボルトは、高力ボルトを使用して全数締め付けた。

正しい選択肢です。

エレクションピースの仮ボルトは、高力ボルトを使用して全数締め付けます。

なお、エレクションピースとは、建方の際に、鉄骨柱の溶接継手部分を仮固定するためのピースのことです。

選択肢2. 作業場所の気温が4℃であったので、溶接線から100mmまでの範囲の母材部分を加熱して、溶接を行った。

正しい選択肢です。

気温(鋼材表面)が低いと溶接部の冷却速度が速くなり、割れが生じやすくなります。

そのため、気温に応じて余熱を行い、気温が低すぎる場合は溶接を行わないようにします。

作業場所の気温が-5℃以上5℃以下の場合は、溶接線から 100mm 程度の範囲を適切な方法で加熱して、溶接を行います。

なお、作業場所の気温が-5℃未満の場合は、溶接を行わないようにします。

選択肢3. 溶接部に割れがあったので、溶接金属を全長にわたって除去し、再溶接を行った。

正しい選択肢です。

割れがある場合は、原則として溶接金属の全長を除去し、再溶接します。

ただし、適切な試験で割れの範囲が明らかになった場合は、割れの端から50mm以上を削り取って再溶接とします。

選択肢4. 溶接部にブローホールがあったので、除去した後、再溶接を行った。

正しい選択肢です。

溶接部に融合不良、溶込み不良、スラグの巻込み、ピット、ブローホール等の有害な欠陥がある部分は、除去した後、再溶接を行います。

なお、外観が不良な場合は修正し、アンダーカット・クレーターの充填不足・のど厚不足・溶接の長さ不足等がある場合は補修溶接を行います。

選択肢5. スタッド溶接の溶接面に著しい錆が付着していたので、スタッド軸径の1.5倍の範囲の錆をグラインダーで除去し、溶接を行った。

不適当な選択肢です。

スタッド溶接の溶接面に、水分・・塗料・亜鉛めっき等、溶接作業や溶接結果に支障になるものがある場合は、スタッド軸径の2倍以上を丁寧に除去し、清掃を行います。

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03

鉄骨工事に関する問題です。

選択肢1. 柱の溶接継手におけるエレクションピースに使用する仮ボルトは、高力ボルトを使用して全数締め付けた。

正しい内容です。

柱と柱の溶接継手はエレクションピースを使用します。

その際の仮ボルトは、高力ボルトを使用して全数締め付けます。

選択肢2. 作業場所の気温が4℃であったので、溶接線から100mmまでの範囲の母材部分を加熱して、溶接を行った。

正しい内容です。

作業場所の気温が-5℃から5℃の間の場合は、溶接線から100mmまでの範囲の母材部分を加熱すると溶接を行うことができます。

選択肢3. 溶接部に割れがあったので、溶接金属を全長にわたって除去し、再溶接を行った。

正しい内容です。

溶接部に割れがある場合、原則溶接金属を全長にわたって除去し、再溶接を行います。

選択肢4. 溶接部にブローホールがあったので、除去した後、再溶接を行った。

正しい内容です。

溶接部のブローホール、融合不良、溶込み不良、スラグの巻込み、ビット等の有害な欠陥がある部分は、除去した後、再溶接を行います。

選択肢5. スタッド溶接の溶接面に著しい錆が付着していたので、スタッド軸径の1.5倍の範囲の錆をグラインダーで除去し、溶接を行った。

不適当な内容です。

スタッド溶接の溶接面に著しい錆の付着等、溶接に支障をきたす欠陥がある場合は、スタッド軸径の「2倍以上」を除去、清掃し、溶接を行います。

参考になった数1