二級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科1(建築計画) 問12

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問題

二級建築士試験 令和4年(2022年) 学科1(建築計画) 問12 (訂正依頼・報告はこちら)

集合住宅の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • テラスハウスは、共用の中庭を中心に、それを囲んで配置される集合住宅の形式である。
  • スキップフロア型は、共用廊下のない階の住戸では、外気に接する2方向の開口部を設けることができる。
  • ボイド型は、階段・エレベーター等をコアとして設け、コアとつながった共用廊下の中央に吹抜けを配置した形式である。
  • フライングコリドーは、プライバシーに配慮し、片廊下型などの共用廊下を住戸から離して設けたものである。
  • スケルトンインフィル住宅は、「建築物の躯体や共用設備部分」と「住戸専有部分の内装や設備」とを明確に分けて計画することによって、住戸の更新性や可変性を高めることができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当な選択肢は、

「テラスハウスは、共用の中庭を中心に、それを囲んで配置される集合住宅の形式である。」

です。

テラスハウスは、専用庭を持つ低層住宅の形式です。

コートハウスは、共用の中庭を囲むように配置される集合住宅の形式です。

どちらの形式も庭があることが共通していますが、「専用庭」と「共用庭」という違いがあります。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

選択肢1. テラスハウスは、共用の中庭を中心に、それを囲んで配置される集合住宅の形式である。

不適当な選択肢です。

テラスハウスは、壁によって区画された低層住宅で、各住戸に専用庭があることが特徴です。

選択肢の説明はコートハウスのことです。

選択肢2. スキップフロア型は、共用廊下のない階の住戸では、外気に接する2方向の開口部を設けることができる。

正しい選択肢です。

スキップフロア型は、片廊下型と階段室型を合体させたような形式で、共用廊下が2~3層ごとに設けられていることが特徴です。

共用廊下の無い階では、共用廊下がある側にも窓を計画できるので、二方向に開口部を設けることができます。

選択肢3. ボイド型は、階段・エレベーター等をコアとして設け、コアとつながった共用廊下の中央に吹抜けを配置した形式である。

正しい選択肢です。

ボイド型は、コア型よりも大規模なマンション等で採用される形式で、中央に大きな吹抜け(ボイド)を設けて建物内の採光を確保するとともに、吹き抜けの周囲に共用廊下とコア(階段・エレベ-ター等)を配置する形式です。

選択肢4. フライングコリドーは、プライバシーに配慮し、片廊下型などの共用廊下を住戸から離して設けたものである。

正しい選択肢です。

フライングコリドーとは、共用廊下と住戸の間に吹き抜けを設けることで、通風・採光・プライバシーを確保した形式です。

選択肢5. スケルトンインフィル住宅は、「建築物の躯体や共用設備部分」と「住戸専有部分の内装や設備」とを明確に分けて計画することによって、住戸の更新性や可変性を高めることができる。

正しい選択肢です。

スケルトン・インフィル住宅とは、

スケルトン(建築物の躯体等)と、

インフィル(内装や設備等)を明確に分けて計画する住宅のことです。

建築物の躯体は比較的長寿命ですが、内装や設備は家族構成の変化等によって比較的短いスパンで寿命を迎え、更新することになります。

通常の工法で住宅を建てた場合、内装や設備の更新時に躯体への影響を考慮する必要がありますが、スケルトン・インフィル住宅であれば、躯体への影響を気にせずに内装や設備を更新できるようになります。

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02

形状に関して、形状、特徴を理解しましょう。

選択肢1. テラスハウスは、共用の中庭を中心に、それを囲んで配置される集合住宅の形式である。

テラスハウスは、専用庭がある接地型の低層連続住宅なので、記述は誤りです。

選択肢2. スキップフロア型は、共用廊下のない階の住戸では、外気に接する2方向の開口部を設けることができる。

スキップフロアは住居部分が2層であるため、1層は、共用廊下がない場合があり、その場合外気に面して2方向の窓を設けられるので、記述の通りで正しいです。

選択肢3. ボイド型は、階段・エレベーター等をコアとして設け、コアとつながった共用廊下の中央に吹抜けを配置した形式である。

記述の通りで、正しいです。

共用廊下が吹き抜けを囲む様に配置され、採光、通風が確保できます。

選択肢4. フライングコリドーは、プライバシーに配慮し、片廊下型などの共用廊下を住戸から離して設けたものである。

記述の通りで、正しいです。

通風、採光、プライバシーが確保できます。

選択肢5. スケルトンインフィル住宅は、「建築物の躯体や共用設備部分」と「住戸専有部分の内装や設備」とを明確に分けて計画することによって、住戸の更新性や可変性を高めることができる。

スケルトンインフィル住宅は、建物の高耐久を見据えて、構造体、共用設備を残し、住宅専有部分の内装間仕切り、設備を更新できる様に計画された住宅なので、記述の通りで正しいです。

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