二級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科1(建築計画) 問14

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問題

二級建築士試験 令和4年(2022年) 学科1(建築計画) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

社会福祉施設等又は高齢者、障がい者等に配慮した建築物の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • グループホームとは、知的障がい者や精神障がい者、認知症高齢者などが専門スタッフ又はヘルパーの支援のもと、少人数で共同生活を行う家のことである。
  • コレクティブハウスは、共同の食事室や調理室等が設けられた、複数の家族が共同で生活する集合住宅であり、高齢者用の住宅としても用いられている。
  • 車椅子使用者が利用する浴室において、浴槽の縁の高さは、洗い場の床面から55cm程度とする。
  • 高齢者が利用する洗面脱衣室において、床暖房や温風機等の暖房設備を設置することは、急激な温度変化によって起こるヒートショックを防ぐために有効である。
  • 高齢者が利用する書斎において、机上面の照度は、600~1,500 lx 程度とする。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当な選択肢は、

「車椅子使用者が利用する浴室において、浴槽の縁の高さは、洗い場の床面から55cm程度とする。」

です。

車椅子使用者が利用する浴槽の縁の高さは、車椅子から容易に乗り移れるように、車椅子の座面(40~45cm)と同程度の高さとします。

車椅子の寸法に関する問題はほぼ毎年出題されていますので、確実に正答できるようにしましょう。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

選択肢1. グループホームとは、知的障がい者や精神障がい者、認知症高齢者などが専門スタッフ又はヘルパーの支援のもと、少人数で共同生活を行う家のことである。

正しい選択肢です。

グループホームとは、障がい者や認知症高齢者などの介護や支援が必要な人が、専門のスタッフとともに、小規模な人数で共同生活を送る施設のことです。

選択肢2. コレクティブハウスは、共同の食事室や調理室等が設けられた、複数の家族が共同で生活する集合住宅であり、高齢者用の住宅としても用いられている。

正しい選択肢です。

なお、似た用語として「コーポラティブハウス」があります。

コーポラティブハウスは、地権者や入居希望者が協力して組合を設立し、組合が施主として企画・設計から入居・管理までの運営・手配を行う方式です。

選択肢3. 車椅子使用者が利用する浴室において、浴槽の縁の高さは、洗い場の床面から55cm程度とする。

不適当な選択肢です。

浴槽の縁の高さは、車椅子から容易に移動できるように、車椅子の座面と同じ高さ(40~45cm)程度とします。

なお、この寸法の考え方は車椅子使用者が利用する他の室でも同じで、脱衣室のベンチの高さ、ベッドの高さ、トイレの便座の高さ、車椅子使用者シャワー室のベンチの高さ等も40~45cm程度とします。

選択肢4. 高齢者が利用する洗面脱衣室において、床暖房や温風機等の暖房設備を設置することは、急激な温度変化によって起こるヒートショックを防ぐために有効である。

正しい選択肢です。

ヒートショックとは、大幅な温度の変化によって血圧が急激に上下し、その負荷で心臓や血管にダメージを受ける症状のことです。

洗面脱衣室や浴室に暖房設備を設けることで急激な温度変化を抑えることができるので、ヒートショックの防止に有効といえます。

選択肢5. 高齢者が利用する書斎において、机上面の照度は、600~1,500 lx 程度とする。

正しい選択肢です。

高齢になると視覚機能の低下によって視力が低下しますが、照度を上げることによって視力の向上を図ることができます。

目安としては若年者の2倍程度の照度が必要で、読書等をする書斎では600~1,500lx程度が適しています。

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02

社会福祉施設は、使用者の属性で、分類され、また、面積も法令で定められています。

今後、高齢者が増えるにあたり、建物の要求も増えるので、理解しましょう。

選択肢1. グループホームとは、知的障がい者や精神障がい者、認知症高齢者などが専門スタッフ又はヘルパーの支援のもと、少人数で共同生活を行う家のことである。

1人あたりの面積が法令で7.43m2とされているので、記述の通りで正しいです。

選択肢2. コレクティブハウスは、共同の食事室や調理室等が設けられた、複数の家族が共同で生活する集合住宅であり、高齢者用の住宅としても用いられている。

コーポラティブハウスと混同する問題が出ることがあるので注意です。

記述の通りで正しいです。

選択肢3. 車椅子使用者が利用する浴室において、浴槽の縁の高さは、洗い場の床面から55cm程度とする。

車椅子使用者が使いやすいのは、車椅子座面高さと同じ高さのところへの移動なので、40cmが望ましいので、記述は誤りです。

選択肢4. 高齢者が利用する洗面脱衣室において、床暖房や温風機等の暖房設備を設置することは、急激な温度変化によって起こるヒートショックを防ぐために有効である。

高齢者になると、室温差での体調不良が起きることがあるので、記述の通りで正しいです。

選択肢5. 高齢者が利用する書斎において、机上面の照度は、600~1,500 lx 程度とする。

高齢になる程、机上が明るい方が文字を認識できるので、標準より、1.5倍の明るさにすると良いです。

記述の通りで正しいです。

参考になった数4