二級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(建築法規) 問8

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問題

二級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(建築法規) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の構造強度に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
  • 風圧力の計算に当たり、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物がある場合においては、その方向における速度圧は、所定の数値の1/2まで減らすことができる。
  • 雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。
  • ローム層の地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度は、国土交通大臣が定める方法による地盤調査を行わない場合、50kN/m2とすることができる。
  • 仕上げをモルタル塗としたコンクリート造の床の固定荷重は、実況に応じて計算しない場合、当該部分の床面積に150N/m2(仕上げ厚さ1cmごとに、そのcmの数値を乗ずるものとする。)を乗じて計算することができる。
  • 保有水平耐力計算により、地震時における構造耐力上主要な部分の断面に生ずる短期の応力度を計算する場合、特定行政庁が指定する多雪区域においては、積雪荷重を考慮する。

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この過去問の解説 (3件)

01

誤っている選択肢は、

「仕上げをモルタル塗としたコンクリート造の床の固定荷重は、実況に応じて計算しない場合、当該部分の床面積に150N/㎡(仕上げ厚さ1cmごとに、そのcmの数値を乗ずるものとする。)を乗じて計算することができる。」

です。

仕上げをモルタル塗としたコンクリート造の床の固定荷重は、床面積×200N/㎡で計算できます。(令84条表

各選択肢の解説は以下のとおりです。

選択肢1. 風圧力の計算に当たり、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物がある場合においては、その方向における速度圧は、所定の数値の1/2まで減らすことができる。

正しい選択肢です。

建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物や、防風林等がある場合は、その方向における速度圧は、所定の数値の1/2まで減らすことができます。(令第87条 第3項

選択肢2. 雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。

正しい選択肢です。

雪下ろしを行う慣習のある地方の積雪荷重は、垂直積雪量が1mを超える場合でも、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができます。(令第86条 第6項

選択肢3. ローム層の地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度は、国土交通大臣が定める方法による地盤調査を行わない場合、50kN/m2とすることができる。

正しい選択肢です。

地盤および基礎杭の許容支持力を算出する際の許容応力度は、ローム層で、長期に生ずる力の場合、50kN/㎡とすることができます。(令第93条 第1項表

選択肢4. 仕上げをモルタル塗としたコンクリート造の床の固定荷重は、実況に応じて計算しない場合、当該部分の床面積に150N/m2(仕上げ厚さ1cmごとに、そのcmの数値を乗ずるものとする。)を乗じて計算することができる。

誤った選択肢です。

建築物の固定荷重は、建築物の実況に応じて計算するか、単位面積当たり荷重×面積で計算します。

単位面積当たり荷重は、モルタル塗り、コンクリート造の床仕上げの場合は、200N/㎡ です。(令第84条表

選択肢5. 保有水平耐力計算により、地震時における構造耐力上主要な部分の断面に生ずる短期の応力度を計算する場合、特定行政庁が指定する多雪区域においては、積雪荷重を考慮する。

正しい選択肢です。

保有水平耐力計算によって地震時の応力度を計算する場合、多雪区域においては、積雪荷重を考慮します。(令第82条 第1項 第2号表

参考

多雪区域の場合、長期(常時)以外の全ての状態で積雪荷重を考慮します。※長期(積雪時)、短期(積雪時・暴風時・地震時)

ただし、短期(暴風時)のみ、風の吹き上がりを検討するために、積雪荷重を加える場合と加えない場合の両方を考慮します。

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02

主に建築基準法施行令を確認しながら解く問題となります。

選択肢1. 風圧力の計算に当たり、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物がある場合においては、その方向における速度圧は、所定の数値の1/2まで減らすことができる。

正。

令第87条第3項より、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物がある場合においては、その方向における速度圧は、所定の数値の1/2まで減らすことができます。

選択肢2. 雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。

正。

令第86条第6項より、雪下ろしを行う慣習のある地方の積雪荷重は、垂直積雪量が1mを超える場合でも、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができます。

選択肢3. ローム層の地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度は、国土交通大臣が定める方法による地盤調査を行わない場合、50kN/m2とすることができる。

正。

令第93条より、地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力は、国土交通大臣が定める方法にって、地盤調査を行い、その結果に基づいて定めなければなりません。

ただし、令第93条第1項表より、ローム層の地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度は、50kN/㎡とすることができます。

選択肢4. 仕上げをモルタル塗としたコンクリート造の床の固定荷重は、実況に応じて計算しない場合、当該部分の床面積に150N/m2(仕上げ厚さ1cmごとに、そのcmの数値を乗ずるものとする。)を乗じて計算することができる。

誤。

令第84条より、建築物の固定荷重は、建築物の実況に応じて計算するか、単位面積当たり荷重×面積で計算をします。

令第84条表より、仕上げをモルタル塗としたコンクリート造の床の固定荷重は、当該部分の床面積に200N/㎡を乗じて計算をします。

よって設問の内容は誤りです。

選択肢5. 保有水平耐力計算により、地震時における構造耐力上主要な部分の断面に生ずる短期の応力度を計算する場合、特定行政庁が指定する多雪区域においては、積雪荷重を考慮する。

正。

令第82条第1項第2号表より、保有水平耐力計算により、地震時における構造耐力上主要な部分の断面に生ずる短期の応力度を計算する場合は、

G + P + 0.35S + Kという計算式によって計算をします。

(S:第86条に規定する積雪荷重によって生ずる力)

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03

構造強度に関する問題です。

選択肢1. 風圧力の計算に当たり、建築物に近接してその建築物を風の方向に対して有効にさえぎる他の建築物がある場合においては、その方向における速度圧は、所定の数値の1/2まで減らすことができる。

令第87条第3項により、正しい内容です。

選択肢2. 雪下ろしを行う慣習のある地方においては、その地方における垂直積雪量が1mを超える場合においても、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じて垂直積雪量を1mまで減らして計算することができる。

令第86条第6項により、正しい内容です。

選択肢3. ローム層の地盤の長期に生ずる力に対する許容応力度は、国土交通大臣が定める方法による地盤調査を行わない場合、50kN/m2とすることができる。

令第93条の表により、正しい内容です。

選択肢4. 仕上げをモルタル塗としたコンクリート造の床の固定荷重は、実況に応じて計算しない場合、当該部分の床面積に150N/m2(仕上げ厚さ1cmごとに、そのcmの数値を乗ずるものとする。)を乗じて計算することができる。

令第84条の表により、誤った選択肢です。正しくは200N/m2です。

選択肢5. 保有水平耐力計算により、地震時における構造耐力上主要な部分の断面に生ずる短期の応力度を計算する場合、特定行政庁が指定する多雪区域においては、積雪荷重を考慮する。

令第82条第2号の表により、正しい内容です。

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