二級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(建築法規) 問10

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問題

二級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(建築法規) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

建築物の避難施設等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、いずれの建築物も各階に建築基準法施行令第116条の2第1項第一号の規定に該当する「窓その他の開口部を有しない居室」を有するものとし、避難階は1階とする。
  • 集会場における客席からの出口の戸は、内開きとしてはならない。
  • 集会場に設置する非常用の照明装置には、予備電源を設けなければならない。
  • 木造2階建ての一戸建て住宅においては、2階の居室の各部分から1階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離の制限を受けない。
  • 木造2階建ての一戸建て住宅において、2階にあるバルコニーの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。
  • 木造2階建て、延べ面積100m2の一戸建ての住宅においては、廊下の幅に制限はない。

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この過去問の解説 (3件)

01

誤った選択肢は、

「木造2階建ての一戸建て住宅においては、2階の居室の各部分から1階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離の制限を受けない。」

です。

令第117条~第126条(廊下、避難階段など)は、下記のいずれかに限って適用されます。

法別表第一(い)欄(一)~(四)項の用途の特殊建築物

・3階以上の建築物

窓その他の開口部を有しない居室を有する階

・延べ面積が1,000㎡を超える建築物

選択肢は木造2階建ての一戸建て住宅ですが、問題文より「窓その他の開口部を有しない居室」を有するため、令第117条~第126条(廊下、避難階段など)の制限を受けます。

さらに、令第120条第1項 表内(三)の居室に該当するため、避難階以外(2階)の居室から直通階段に至るまでの歩行距離の制限を受けます

各選択肢の解説は以下のとおりです。

選択肢1. 集会場における客席からの出口の戸は、内開きとしてはならない。

正しい選択肢です。

集会場の客用からの出口の戸は、内開きとしてはならないです。(令第125条 第1項

選択肢2. 集会場に設置する非常用の照明装置には、予備電源を設けなければならない。

正しい選択肢です。

集会場は、非常用の照明装置を設けなければならないです。(令第126条の4 第1項法別表第1(い)欄(1)

また、非常用の照明装置には、予備電源を設けます。(令126条の5 第1項 第1号ハ

選択肢3. 木造2階建ての一戸建て住宅においては、2階の居室の各部分から1階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離の制限を受けない。

誤った選択肢です。

問題文と選択肢の条件より、2階に「窓その他の開口部を有しない居室」があることから、2階居室~直通階段までの歩行距離の制限を受けます。(令第117条 第1項令第120条 第1項 表内(三)

選択肢4. 木造2階建ての一戸建て住宅において、2階にあるバルコニーの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。

正しい選択肢です。

2階以上のバルコニーの周囲には、高さ1.1m以上の手すり壁、さく、または金網を設けなければならないです。(令第126条 第1項

選択肢5. 木造2階建て、延べ面積100m2の一戸建ての住宅においては、廊下の幅に制限はない。

正しい選択肢です。

廊下の幅は、小学校や病院、共同住宅の場合は制限がありますが、選択肢の条件の場合は制限がありません。(令第119条 第1項 表

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02

避難に関する問題は、出入り口や照明など項目が複数ありますが、焦らずていねいに確認していきましょう。

選択肢1. 集会場における客席からの出口の戸は、内開きとしてはならない。

正。

令第125条第2項より、

集会場における客席からの出口の戸は、内開きとしてはなりません。

その他にも劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂は同様に内開きとしてはなりません。

選択肢2. 集会場に設置する非常用の照明装置には、予備電源を設けなければならない。

正。

令第126条の4第1項法別表第1(い)欄(1)より、

集会場には非常用の照明装置を設ける必要があります。

また、令126条の5に非常用の照明装置の構造が記載されています。

令126条の5第1項 第1号ハより、

非常用の照明装置には、予備電源を設けます。

選択肢3. 木造2階建ての一戸建て住宅においては、2階の居室の各部分から1階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離の制限を受けない。

誤。

令第120条第1項 表内(三)令第117条第1項より、

窓その他の開口部を有しない居室を有する階の居室から直通階段までの歩行距離は、制限を受けます。

選択肢4. 木造2階建ての一戸建て住宅において、2階にあるバルコニーの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。

正。

令第126条第1項より、

2階以上のバルコニーの周囲には、高さ1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければなりません。

選択肢5. 木造2階建て、延べ面積100m2の一戸建ての住宅においては、廊下の幅に制限はない。

令第119条より、

木造2階建て、延べ面積100m2の一戸建ての住宅においては、廊下の幅に制限はありません。

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03

避難施設等に関する問題です。

選択肢1. 集会場における客席からの出口の戸は、内開きとしてはならない。

令第118条により、正しい内容です。

選択肢2. 集会場に設置する非常用の照明装置には、予備電源を設けなければならない。

令第126条の4及び同令5第1号ハにより正しい内容です。

選択肢3. 木造2階建ての一戸建て住宅においては、2階の居室の各部分から1階又は地上に通ずる直通階段の一に至る歩行距離の制限を受けない。

令第120条第1項により、誤った内容です。歩行距離の制限を受けます

選択肢4. 木造2階建ての一戸建て住宅において、2階にあるバルコニーの周囲には、安全上必要な高さが1.1m以上の手すり壁、さく又は金網を設けなければならない。

令第126条第1項により、正しい内容です。

選択肢5. 木造2階建て、延べ面積100m2の一戸建ての住宅においては、廊下の幅に制限はない。

令第119条により、適用は受けないため正しい内容です。

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