二級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(建築法規) 問15

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問題

二級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(建築法規) 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

都市計画区域内における建築物の容積率、建蔽率及び敷地面積に関する次の記述のうち、建築基準法上、正しいものはどれか。ただし、用途地域及び準防火地域以外の地域、地区等並びに特定行政庁の指定・許可等は考慮しないものとする。
  • 田園住居地域内の専用住宅の容積率は、その敷地内に政令で定める規模以上の空地(道路に接して有効な部分が政令で定める規模以上であるものに限る。)を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である場合、当該地域に関する都市計画において定められた容積率の1.5倍以下とすることができる。
  • 用途地域の指定のない区域内の耐火建築物は、容積率の制限を受けない。
  • 敷地に接する道路の幅員によって、建築物の建蔽率の制限が異なる。
  • 近隣商業地域(都市計画で定められた建蔽率は8/10)内、かつ、準防火地域内で、準耐火建築物を建築する場合の建蔽率の最高限度は9/10である。
  • 用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められた地域内に巡査派出所を新築しようとする場合については、その敷地面積を当該最低限度以上としなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正しい選択肢は、

「近隣商業地域(都市計画で定められた建蔽率は8/10)内、かつ、準防火地域内で、準耐火建築物を建築する場合の建蔽率の最高限度は9/10である。」

です。

近隣商業地域では、下記のどちらかに該当する場合は 1 / 10 、下記の両方に該当する場合は 2 / 10 を加えます。(法第53条 第3項 第1号イ,ロ,第2号

・防火地域または準防火地域で、耐火建築物(等)または準耐火建築物(等)

・角地の指定がある

近隣商業地域(定められた建蔽率 8 / 10 )で準防火地域内なので、

8 / 10 + 1 / 10 = 9 / 10

となります。

各選択肢の解説は以下のとおりです。

選択肢1. 田園住居地域内の専用住宅の容積率は、その敷地内に政令で定める規模以上の空地(道路に接して有効な部分が政令で定める規模以上であるものに限る。)を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である場合、当該地域に関する都市計画において定められた容積率の1.5倍以下とすることができる。

誤った選択肢です。

第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・近隣商業地域・商業地域・準工業地域で、政令で定める規模以上の空地・接道・敷地面積の場合、容積率を1.5倍以下とできます。(法第52条 第8項

田園住居地域は上記の中に入っていないため、容積率の1.5倍以下とすることはできません。

選択肢2. 用途地域の指定のない区域内の耐火建築物は、容積率の制限を受けない。

誤った選択肢です。

用途地域の指定のない区域内の建築物は、50%、80%、100%、200%、400%のいずれかの制限を受けます。(法第52条 第1項 第8号)

※参考

防火地域内にある耐火建築物は、建蔽率の限度が80%の地域の場合に限って、建蔽率の制限を受けません。(法第53条 第6項 第1号)

選択肢3. 敷地に接する道路の幅員によって、建築物の建蔽率の制限が異なる。

誤った選択肢です。

建蔽率は、敷地に接する道路の幅員による制限は受けません。(法第53条

※容積率は、前面道路の幅員に応じて制限を受けます(法第52条 第2項

選択肢4. 近隣商業地域(都市計画で定められた建蔽率は8/10)内、かつ、準防火地域内で、準耐火建築物を建築する場合の建蔽率の最高限度は9/10である。

正しい選択肢です。

法第53条第1項第2項に規定されている用途地域は、下記のどちらかに該当する場合は 1 / 10 、下記の両方に該当する場合は 2 / 10 を加えます。(法第53条 第3項 第1号イ,ロ,第2号

・防火地域または準防火地域で、耐火建築物(等)または準耐火建築物(等)

・角地の指定がある

近隣商業地域(定められた建蔽率 8 / 10 )で準防火地域内なので、

8 / 10 + 1 / 10 = 9 / 10

となります。

選択肢5. 用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められた地域内に巡査派出所を新築しようとする場合については、その敷地面積を当該最低限度以上としなければならない。

誤った選択肢です。

建築物の敷地面積が定められた場合はその敷地面積以上としなければならないですが、巡査派出所は対象から除かれています。(法第53条の2 第1項 第2号

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02

容積率等に関する問題です。

選択肢1. 田園住居地域内の専用住宅の容積率は、その敷地内に政令で定める規模以上の空地(道路に接して有効な部分が政令で定める規模以上であるものに限る。)を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である場合、当該地域に関する都市計画において定められた容積率の1.5倍以下とすることができる。

誤答

法第52条第8項の規定には田園住居地域には適用がありません。よって誤った選択肢です。

選択肢2. 用途地域の指定のない区域内の耐火建築物は、容積率の制限を受けない。

誤答

法第52条第1項第8号により、誤った選択肢です。

選択肢3. 敷地に接する道路の幅員によって、建築物の建蔽率の制限が異なる。

誤答

法第53条により、誤った選択肢です。

選択肢4. 近隣商業地域(都市計画で定められた建蔽率は8/10)内、かつ、準防火地域内で、準耐火建築物を建築する場合の建蔽率の最高限度は9/10である。

正答

法第53条第3項第1号ロにより、正しい選択肢です。

選択肢5. 用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められた地域内に巡査派出所を新築しようとする場合については、その敷地面積を当該最低限度以上としなければならない。

誤答

法第53条の2第1項第2号により、誤った選択肢です。

参考になった数1

03

数値やただし書きに注意しながら解きましょう。

選択肢1. 田園住居地域内の専用住宅の容積率は、その敷地内に政令で定める規模以上の空地(道路に接して有効な部分が政令で定める規模以上であるものに限る。)を有し、かつ、その敷地面積が政令で定める規模以上である場合、当該地域に関する都市計画において定められた容積率の1.5倍以下とすることができる。

誤。

法第52条第8項より、

第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・近隣商業地域・商業地域・準工業地域で、政令で定める規模以上の空地・接道・敷地面積の場合、容積率を1.5倍以下とできますが、田園住居地域は当てはまらないため、誤りです。

選択肢2. 用途地域の指定のない区域内の耐火建築物は、容積率の制限を受けない。

誤。

法第52条第1項第8号より、

用途地域の指定のない区域内の建築物は、5/10、8/10、10/10、20/10、30/10、40/10のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるものの制限を受けます。

選択肢3. 敷地に接する道路の幅員によって、建築物の建蔽率の制限が異なる。

誤。

法第53条より、建蔽率は、敷地に接する道路の幅員による制限は受けません。

選択肢4. 近隣商業地域(都市計画で定められた建蔽率は8/10)内、かつ、準防火地域内で、準耐火建築物を建築する場合の建蔽率の最高限度は9/10である。

正。

法第53条第1項第3号法第53条第3項第1号ロより、

設問は、近隣商業地域内の建築物で6/10又は8/10のうち当該地域に関する都市計画において定められたものに当てはまります。

法第53条第3項第1号ロより、

法第53条第1項第各号に定める数値に1/10を加えたものをもって当該各号に定める数値とするため、

8/10 + 1/10 = 9/10となります。

選択肢5. 用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められた地域内に巡査派出所を新築しようとする場合については、その敷地面積を当該最低限度以上としなければならない。

誤。

法第53条の2第1項第2号より、

建築物の敷地面積は、用途地域に関する都市計画において建築物の敷地面積の最低限度が定められたときは、当該最低限度以上でなければならないですが、巡査派出所については除かれています。

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