二級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科2(建築法規) 問19

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問題

二級建築士試験 令和4年(2022年) 学科2(建築法規) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。ただし、地階及び防火壁はないものとし、防火地域及び準防火地域以外の地域、地区等は考慮しないものとする。
  • 準防火地域内の建築物で、外壁が準耐火構造のものは、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。
  • 準防火地域内において、一戸建て住宅を新築する場合、屋根の構造は、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであり、かつ、屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものとしなければならない。
  • 準防火地域内において、鉄筋コンクリート造2階建ての一戸建て住宅に附属する高さ2mを超える塀を設ける場合、その塀は、延焼防止上支障のない構造としなくてもよい。
  • 防火地域内において、建築物の屋上に設ける看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。
  • 敷地が防火地域及び準防火地域にわたる場合において、当該敷地の準防火地域内の部分のみに新築される建築物には、準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。

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この過去問の解説 (3件)

01

誤った選択肢は、

「準防火地域内の建築物で、外壁が準耐火構造のものは、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。」

です。

準防火地域内の建築物の場合、外壁が耐火構造であれば、その外壁を隣地境界線に接して設けることができます。

選択肢の準耐火構造では、隣地境界線に接して設けることはできません

各選択肢の解説は以下のとおりです。

選択肢1. 準防火地域内の建築物で、外壁が準耐火構造のものは、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。

誤った選択肢です。

防火地域または準防火地域内で、外壁が耐火構造であれば、その外壁を隣地境界線に接して設けることができます。(法第63条

選択肢2. 準防火地域内において、一戸建て住宅を新築する場合、屋根の構造は、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであり、かつ、屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものとしなければならない。

正しい選択肢です。

防火地域または準防火地域内の建築物の屋根の構造は、火災の火の粉による火災の発生を防止できる性能とします。(法第62条

また、火災の火の粉によって、屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものとしなければならないです。(令第136条の2の2

選択肢3. 準防火地域内において、鉄筋コンクリート造2階建ての一戸建て住宅に附属する高さ2mを超える塀を設ける場合、その塀は、延焼防止上支障のない構造としなくてもよい。

正しい選択肢です。

高さ2mを超える塀を設ける際、下記のどちらかに該当する場合は、延焼防止上支障のない構造としなければならないです。

・防火地域内にある建築物に付属するもの

・準防火地域内にある木造建築物等に付属するもの

選択肢は「準防火地域内」にある「鉄筋コンクリート造に付属するもの」なので、どちらにも該当せず、延焼防止上支障のない構造としなくてもよいです。

令第136条の2 第5項

選択肢4. 防火地域内において、建築物の屋上に設ける看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。

正しい選択肢です。

防火地域内にある看板・広告塔・装飾塔その他工作物で、下記のどちらかに該当する場合は、その主要な部分を不燃材料で造るか、覆わなければならないです。

・建築物の屋上に設ける

・高さ3mを超える

法第64条

選択肢は防火地域内にある「看板」で「建築物の屋上」に設けているので、その主要な部分を不燃材料で造るか、覆わなければならないです。

選択肢5. 敷地が防火地域及び準防火地域にわたる場合において、当該敷地の準防火地域内の部分のみに新築される建築物には、準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。

正しい選択肢です。

敷地が防火地域と準防火地域にまたがり、準防火地域内のみに建築物を新築する場合は、準防火地域の制限が適用されます。(法第65条第1項

※参考

敷地だけでなく建築物も防火地域と準防火地域にまたがる場合、建築物全体が厳しい方(防火地域)の制限を受けます。

ただし、準防火地域側に設けた防火壁によって区画されている場合は、防火壁を境に防火地域・準防火地域それぞれの制限を受けます。

法第65条第1項、2項

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02

防火地域と準防火地域について、間違えないように解いていきましょう。

選択肢1. 準防火地域内の建築物で、外壁が準耐火構造のものは、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。

誤。

法第63条より、

準防火地域内の建築物で、外壁が耐火構造のものは、その外壁を隣地境界線に接して設けることができます。

選択肢2. 準防火地域内において、一戸建て住宅を新築する場合、屋根の構造は、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであり、かつ、屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものとしなければならない。

正。

法第62条令第136条の2の2より、

準防火地域内において屋根の構造は、市街地における火災を想定した火の粉による建築物の火災の発生を防止するために屋根に必要とされる性能とします。

またその性能は、防火上有害な発炎をしないものであること、かつ、屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものであることとします。

選択肢3. 準防火地域内において、鉄筋コンクリート造2階建ての一戸建て住宅に附属する高さ2mを超える塀を設ける場合、その塀は、延焼防止上支障のない構造としなくてもよい。

正。

令第136条の2第1項第5号より、

高さ2mを超える塀で、準防火地域内にある木造建築物等に附属するものは、延焼防止上支障のない構造としなければなりません。

設問は鉄筋コンクリート造に付属するものとあるため、延焼防止上支障のない構造としなくてもよいということになります。

選択肢4. 防火地域内において、建築物の屋上に設ける看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。

正。

法第64条より、

防火地域内において、建築物の屋上に設けるものは、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければなりません。

選択肢5. 敷地が防火地域及び準防火地域にわたる場合において、当該敷地の準防火地域内の部分のみに新築される建築物には、準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。

正。

法第65条第1項より、

敷地が防火地域及び準防火地域にわたる場合において、その全部についてそれぞれ防火地域又は準防火地域内の建築物に関する規定が適用されます。

参考になった数0

03

防火・準防火地域に関する問題です。

選択肢1. 準防火地域内の建築物で、外壁が準耐火構造のものは、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。

法第63条により、外壁は耐火構造に限られます。よって誤った内容です。

選択肢2. 準防火地域内において、一戸建て住宅を新築する場合、屋根の構造は、市街地における通常の火災による火の粉により、防火上有害な発炎をしないものであり、かつ、屋内に達する防火上有害な溶融、亀裂その他の損傷を生じないものとしなければならない。

法第62条、令第136条の2の2により、正しいです。

選択肢3. 準防火地域内において、鉄筋コンクリート造2階建ての一戸建て住宅に附属する高さ2mを超える塀を設ける場合、その塀は、延焼防止上支障のない構造としなくてもよい。

令第136条の2第5号により、正しいです。

選択肢4. 防火地域内において、建築物の屋上に設ける看板は、その主要な部分を不燃材料で造り、又は覆わなければならない。

法第64条により、正しいです。

選択肢5. 敷地が防火地域及び準防火地域にわたる場合において、当該敷地の準防火地域内の部分のみに新築される建築物には、準防火地域内の建築物に関する規定が適用される。

法第65に該当しないため、正しいです。

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