二級建築士の過去問 令和4年(2022年) 学科3(建築構造) 問14
この過去問の解説 (2件)
コンクリートと鉄筋には、下記のような特徴があります。
コンクリート:圧縮に強く引張に弱い、クリープ現象(たわみ)が発生しやすい
鉄筋:引張に強く圧縮に弱い、クリープ現象(たわみ)が発生しにくい
鉄筋コンクリート造は上記の材料を組み合わせた構造で、圧縮側はコンクリートが負担し、引張側は鉄筋が負担するという考え方となっています。
ただし、圧縮側に関しては、コンクリートはクリープ現象(たわみ)が発生しやすいため、圧縮側のコンクリートを補うように圧縮鉄筋も必要となります。
なお、引張側ではコンクリートは計算上考慮しません。
材料としての特徴だけでなく、壁厚や片持ちスラブの厚さ等の数値も確実に暗記して、正答できるようにしましょう。
正しい選択肢です。
帯筋は主筋と緊結して、主筋内部のコンクリートを十分に拘束するように配置します。
柱の靭性を高めるには、溶接閉鎖型の鉄筋を用いたり、副帯筋を使用して帯筋を密に配筋したりすることが有効です。
正しい選択肢です。
梁の圧縮側の鉄筋量を増やすことでコンクリートが負担する圧縮応力度が小さくなるため、コンクリートのクリープ変形やたわみは減少し、梁の靭性を向上させることができます。
正しい選択肢です。
壁板の厚さは、原則として120mm以上かつ壁板の内法高さの1/30以上とします。
不適切な選択肢です。
部材の曲げモーメントに対する断面算定においては、コンクリートの引張応力は圧縮応力の1/10程度と小さいため、計算上は無視します。
正しい選択肢です。
普通コンクリートを用いた片持ちスラブの厚さは、片持ちスラブの出の長さの1/10を超える値とします。
鉄筋コンクリート構造における、鉄筋とコンクリートの特徴や役割を理解しましょう。
それぞれの特徴としては、鉄筋は引張に強く、コンクリートは圧縮に強いです。
正。
柱にとって主要となる主筋と、主筋を囲むように巻き付ける帯筋で柱は作られます。
溶接した閉鎖形帯筋は、柱の靭性(粘り強さ)を向上させます。
正。
コンクリートはクリープたわみが発生しやすく、鉄筋は発生しにくいです。
引張に強い鉄筋ですが、圧縮を負担する鉄筋を入れることで、コンクリートのクリープたわみを抑制し、柱の靭性を向上させます。
正。
壁板の厚さは原則として、120mm以上、かつ、壁板の内法高さの1/30以上とします。
誤。
部材の曲げモーメントに対する断面算定においては、一般に、コンクリートの引張応力度を考慮しません。
正。
普通コンクリートを用いた片持ちスラブの厚さは、片持ちスラブの出の長さの1/10を超える値とします。
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