二級建築士の過去問
令和4年(2022年)
学科3(建築構造) 問18
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問題
二級建築士試験 令和4年(2022年) 学科3(建築構造) 問18 (訂正依頼・報告はこちら)
建築物の耐震設計に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
- 極めて稀(まれ)に生じる地震動に対して、建築物が倒壊しないようにすることは、耐震設計の目標の一つである。
- 建築物の耐震性は、一般に、強度と靱(じん)性によって評価されるが、靱(じん)性が乏しい場合には、強度を十分に高くする必要がある。
- 偏心率は、各階の重心と剛心との距離(偏心距離)を当該階の弾力半径で除した値であり、その値が大きいほど、その階において特定の部材に損傷が集中する危険性が高いことを示している。
- 鉄筋コンクリート造のスラブなどにより床の一体性の確保が図られた剛床仮定のもとでは、建築物の各層の地震力は、一般に、柱や耐震壁などの水平剛性に比例して負担される。
- 建築物の固有周期は、構造物としての質量が同じであれば、水平剛性が低いほど短くなる。
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この過去問の解説 (2件)
01
耐震設計の考え方や靭性・偏心率・剛性・固有周期の大小など、耐震設計に関する基本的な知識に関する出題です。
用語の意味や関係性を理解して正答できるようにしましょう。
正しい選択肢です。
耐震設計の考え方として、稀に発生する地震動に対しては、建築物の構造耐力上主要な部分が損傷を受けないようにし、極めて稀に発生する地震動に対しては、建築物が倒壊、崩壊等しないようにします。
正しい選択肢です。
靭性が乏しい場合でも、強度を十分に高くすれば耐震性を確保することができます。
正しい選択肢です。
偏心率とは、各階の重心と剛心との距離(偏心距離)を当該階の弾力半径で除した値です。
偏心率が大きいほど「ねじれ」が発生しやすくなり、特定の部材に損傷が集中する危険性が高くなります。
正しい選択肢です。
鉄筋コンクリート造のスラブ等は剛性が非常に高く、剛床と仮定することができます。
剛床仮定のもとでは、建築物の各層の地震力は剛性の大きさに比例して分担されます。
不適当な選択肢です。
固有周期Tは下式で計算します。
T = 2π × √(m/k)
T:固有周期 m:質量 k:剛性
以上から、固有周期は質量が大きいほど長くなり、剛性が高いほど短くなります。
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02
耐震設計についての問題です。用語はしっかりと意味を理解し、固有周期等の式は暗記しておくようにしましょう。
正。
極めて稀に生じる地震動に対して、建築物が倒壊しないようにすることは、耐震設計の目標の一つです。
稀に発生する地震動に対しては、建築物の構造耐力上主要な部分が損傷を受けないようにすることが、耐震設計の目標の一つです。
正。
建築物の耐震性は、一般に、強度と靱性によって評価されます。
靱性が乏しい場合、強度を十分に高くすることで耐震性を確保できます。
正。
偏心率は、建物の重心と剛心のずれを表します。
偏心率が大きいとねじれが発生しやすくなるため、特定の部材に損傷が集中する危険性が高まります。
正。
鉄筋コンクリート造のスラブ等は剛性が非常に高くなります。
剛床と仮定するとき、建築物の各層の地震力は柱や耐震壁などの剛性の大きさに比例して負担されます。
誤。
固有周期Tの式は「T= 2π × √(m/k)」です。
T:固有周期
m:質量
k:剛性
よって、剛性が低いほど固有周期は長くなります。
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