二級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科1(建築計画) 問15

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問題

二級建築士試験 令和5年(2023年) 学科1(建築計画) 問15 (訂正依頼・報告はこちら)

文化施設の計画に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 美術館において、日本画を展示する壁面の照度を、JISの照明設計基準に合わせて、200lx程度とした。
  • コンサートホールにおいて、演奏者と聴衆との一体感を生み出すことを意図して、ステージを客席が取り囲むシューボックス型の空間形式を採用した。
  • 劇場において、ホワイエをもぎり(チケットチェック)の後に配置し、歓談などもできるように広めに計画した。
  • 博物館において、学芸員の研究部門は、収蔵部門に近接して配置した。
  • 美術館において、展示室に加え、ワークショップやアーティスト・イン・レジデンス等、多様な活動ができる空間を計画した。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題は、文化施設の設計における特性や利用者の体験を最大化するための計画に関する知識を問うものです。

文化施設には、美術館、コンサートホール、劇場、博物館などが含まれ、それぞれの施設には特有の設計要件があります。

これらの施設の設計においては、利用者の快適さ、展示物やパフォーマンスの質、機能性を最大限に考慮する必要があります。

選択肢1. 美術館において、日本画を展示する壁面の照度を、JISの照明設計基準に合わせて、200lx程度とした。

この選択肢は適当です。

日本画などの展示において、照明の照度は重要な要素です。

JIS(日本工業規格)によると、展示室の照度は通常100lxから200lx程度が推奨されます。

日本画のように繊細な作品を展示する場合、高すぎず低すぎない適切な照度が求められます。

200lx程度の照度は、作品の詳細を視認するのに十分な明るさを提供し、観覧者が作品を快適に鑑賞できる環境を作り出します。

選択肢2. コンサートホールにおいて、演奏者と聴衆との一体感を生み出すことを意図して、ステージを客席が取り囲むシューボックス型の空間形式を採用した。

この選択肢は不適当です。

シューボックス型は、コンサートホールの空間形式としては一般的に長方形で、客席がステージの前に配置される形式です。

ステージを客席が取り囲む形式はアリーナ型となります。

選択肢3. 劇場において、ホワイエをもぎり(チケットチェック)の後に配置し、歓談などもできるように広めに計画した。

この選択肢は適当です。

劇場の設計において、ホワイエは来場者がチケットを確認した後に配置されるのが一般的です。

このスペースは、来場者が開演前や休憩中にリラックスしたり、歓談したりする場所として機能します。

ホワイエを広めに計画することで、来場者が快適に過ごせるようになり、劇場全体の体験を向上させることができます。

選択肢4. 博物館において、学芸員の研究部門は、収蔵部門に近接して配置した。

この選択肢は適当です。

博物館の設計において、学芸員の研究部門を収蔵部門に近接して配置することは効率的です。

学芸員が収蔵品を研究する際に、直接収蔵部門へのアクセスが容易であることは、作業の効率化や研究の質向上に繋がります。

また、収蔵品の保管や管理に関わる部門が近くにあることで、資料や展示物の取り扱いが迅速に行えます。

選択肢5. 美術館において、展示室に加え、ワークショップやアーティスト・イン・レジデンス等、多様な活動ができる空間を計画した。

この選択肢は適当です。

現代の美術館は、単に展示するだけでなく、教育やコミュニティ活動を重視しています。

ワークショップやアーティスト・イン・レジデンスなどのプログラムを支えるための多様な空間を計画することは、美術館の機能性と社会的役割を高める上で重要です。

まとめ

文化施設の設計では、各施設の特性に応じて利用者の体験を最大化し、機能的で快適な空間を提供することが求められます。

設計の際には、利用者のニーズや施設の役割に応じた計画を行うことが、質の高い文化施設を作り上げるためのポイントとなります。

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