二級建築士の過去問
令和5年(2023年)
学科1(建築計画) 問20

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問題

二級建築士試験 令和5年(2023年) 学科1(建築計画) 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 室内の床に放熱管を埋め込んだ放射暖房方式は、一般に、温風暖房方式に比べて、室内における上下の温度差が小さくなる。
  • 変風量単一ダクト方式は、定風量単一ダクト方式に比べて、送風機のエネルギー消費量を節減することができる。
  • 密閉回路の冷温水配管系には、一般に、膨張タンクは不要である。
  • ファンコイルユニットは、一般に、冷温水コイルを用いて冷却・加熱した空気を循環送風する小型ユニットである。
  • 10~12℃程度の冷風を利用した低温送風空調方式は、送風搬送動力の低減が可能であり、空調機やダクトサイズを小さくすることができる。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題のテーマは空気調和設備に関する知識であり、各選択肢が示す空調システムや設備の特性について正確に理解することが求められます。

空調システムの基本的な機能や設計原則に基づき、各記述が実際の設備運用や設計基準にどれだけ合致しているかを判断しましょう。

選択肢1. 室内の床に放熱管を埋め込んだ放射暖房方式は、一般に、温風暖房方式に比べて、室内における上下の温度差が小さくなる。

この選択肢は適当です。

放射暖房方式では、室内の空気を直接暖めるのではなく、床に埋め込まれた放熱管が床面から放射熱を提供します。

この方式は、空気の対流を用いずに温めるため、一般に室内の上下の温度差が小さくなる特徴があります。

温風暖房方式では、上部が温かく、下部が冷たい傾向があるため、放射暖房方式の方が均一な温度分布が実現されます。

選択肢2. 変風量単一ダクト方式は、定風量単一ダクト方式に比べて、送風機のエネルギー消費量を節減することができる。

この選択肢は適当です。

変風量単一ダクト方式では、空調システムが需要に応じて風量を変化させることができるため、定風量単一ダクト方式に比べて送風機のエネルギー消費量を節減することができます。

定風量方式では、常に一定量の風を送るため、実際の需要に応じた調整ができず、エネルギー効率が低くなることがあります。

選択肢3. 密閉回路の冷温水配管系には、一般に、膨張タンクは不要である。

この選択肢は不適当です。

密閉回路の冷温水配管系には、一般的に膨張タンクが必要です。

冷温水配管系では、温度変化に伴って水の体積が変化するため、膨張タンクは水膨張による圧力変動を吸収し、システム全体の安定性を保つ役割を果たします。

膨張タンクがないと、配管系の圧力が過剰になり、設備に負担がかかる可能性があります。

選択肢4. ファンコイルユニットは、一般に、冷温水コイルを用いて冷却・加熱した空気を循環送風する小型ユニットである。

この選択肢は適当です。

ファンコイルユニットは、小型の空調ユニットで、冷温水コイルを用いて冷却または加熱した空気を循環送風します。

このユニットは、各部屋やゾーンごとに独立した空調が可能で、個別の空調ニーズに応じて効率的に運用されます。

ファンコイルユニットは、特にオフィスビルやホテルで広く使用されており、コンパクトな設計が特徴です。

選択肢5. 10~12℃程度の冷風を利用した低温送風空調方式は、送風搬送動力の低減が可能であり、空調機やダクトサイズを小さくすることができる。

この選択肢は適当です。

10~12℃程度の冷風を利用した低温送風空調方式では、送風搬送動力の低減が可能であり、空調機やダクトのサイズを小さくすることができます。

低温の冷風は空気密度が低く、エネルギー効率が高いため、より少ないエネルギーで効果的に空調が行えます。また、小型の空調機器やダクトにより、スペースの節約も実現されます。

まとめ

空気調和設備に関する問題では、各設備やシステムの特性を理解し、その機能や効果を正確に把握することが重要です。

放射暖房方式や変風量単一ダクト方式は、それぞれ特有の利点があり、適切な設計選択を行うことでエネルギー効率や快適性が向上します。

一方、密閉回路の冷温水配管系には膨張タンクが必須であり、その設置がシステムの安定性を保つために重要です。

このような知識は、効率的な空調設備の設計と運用において不可欠となります。

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