二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問4 (学科1(建築計画) 問4)

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問題

二級建築士試験 令和6年(2024年) 問4(学科1(建築計画) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 換気回数は、室容積をその室の単位時間当たりの換気量で除して算出される。
  • 必要換気量は、室内の汚染質の発生量を、その汚染質について、室内の許容濃度と外気中の濃度の差で除して算出される。
  • 温度差による換気量は、室内外の温度差の平方根に比例する。
  • 温度差換気における中性帯の位置は、開口部の大きいほうに近づく傾向がある。
  • 風圧力による換気量は、外部風速に比例する。

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この過去問の解説 (3件)

01

これは換気に関する問題です。

換気について考えるとき、風力や温度差による気圧の差を考慮する必要があります。

選択肢1. 換気回数は、室容積をその室の単位時間当たりの換気量で除して算出される。

記述は間違っています。

換気回数は、その質の単位時間当たりの換気量を室容積で除して算出されます。建築基準法では、必要換気量から算出される必要換気回数が室の用途によって決まっています。

選択肢2. 必要換気量は、室内の汚染質の発生量を、その汚染質について、室内の許容濃度と外気中の濃度の差で除して算出される。

記述は正しいです。

必要換気量は、二酸化炭素を基準として考えることが多くあります。室内の許容濃度と外気中の濃度の差に反比例し、室内の汚染量に比例しています。

選択肢3. 温度差による換気量は、室内外の温度差の平方根に比例する。

記述は正しいです。

高温の空気は軽くて、上昇します。逆に、低温の空気は重くて、下降します。そのため、夏の冷房使用時は上から下へ空気が循環し、冬の暖房使用時は下から上へ循環します。

選択肢4. 温度差換気における中性帯の位置は、開口部の大きいほうに近づく傾向がある。

記述は正しいです。

室内の中間部分では、圧力差が0になります。この0になる点を中性帯と言います。

選択肢5. 風圧力による換気量は、外部風速に比例する。

記述は正しいです。

建物に風が当たると、風上側の壁面に圧縮力が作用し、風下側の壁面に引張力が作用します。風圧力が異なる2つの壁面に開口部を設置すると、風上から風下に空気が流れます。

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02

換気の問題です。

換気の問題は原理原則と計算のパターンを覚えれば

確実に得点できます。

 

選択肢1. 換気回数は、室容積をその室の単位時間当たりの換気量で除して算出される。

記述は誤りです。

換気回数は、室内の空気が一定の時間内に何回入れ替わるかを示す指標です。

時間あたりの換気回数であり、単位は回/hで表されます。

選択肢2. 必要換気量は、室内の汚染質の発生量を、その汚染質について、室内の許容濃度と外気中の濃度の差で除して算出される。

正しい記述です。

必要換気量は、空気を衛生に保つために必要な換気量です。

必要換気量を求める方法は

 ・建築基準法による方法 

 ・室内面積による必要換気回数 

 ・室内と外気の濃度差

などがあります。

 

選択肢3. 温度差による換気量は、室内外の温度差の平方根に比例する。

正しい記述です。  

換気量=窓面積×√(高低差×温度差)
 ・開口部の高低差hの平方根に比例
 ・室内外の温度差(ti−to)の平方根に比例

です。

選択肢4. 温度差換気における中性帯の位置は、開口部の大きいほうに近づく傾向がある。

正しい記述です。 

室内外の圧力差が0となり位置があり、この高さを中性帯と言います。

上下に大きさの異なる開口部があるとき、

中性帯の位置は開口部の大きいほうに近づきます。

選択肢5. 風圧力による換気量は、外部風速に比例する。

正しい記述です。 

風圧力によって換気される場合、

その換気量は、外部風向と開口条件が一定であれば

外部風速に比例します。

公式: Qw = αA√(c1 – c2) × v × 60²

まとめ

換気の問題はある程度の原理原則を理解した上で、

公式から比例、反比例を理解しましょう。

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03

換気に関する問題です。それぞれの換気方法においてどんな要点で出題されるかを把握しておきましょう。

選択肢1. 換気回数は、室容積をその室の単位時間当たりの換気量で除して算出される。

この記述は間違いです。

間違い箇所:室容積をその室の単位時間当たりの換気量で除して算出される→×

      その室の単位時間当たりの換気量を室容積で除して算出されます→〇

【解説】

換気回数とは、1時間あたりに部屋の空気が外気と入れ替わる回数のことです。計算方法は、必要換気量を部屋の容積で割ることで求められます。 

建築基準法における換気回数の基準は、主に住宅の居室では0.5回/h以上、その他の居室では0.3回/h以上を確保できる換気設備を設けることが義務付けられています

実務の確認申請でも必要になる知識なのでしっかり覚えておきましょう!

選択肢2. 必要換気量は、室内の汚染質の発生量を、その汚染質について、室内の許容濃度と外気中の濃度の差で除して算出される。

この記述は正しいです。

 

【解説】

必要換気量とは、室内の空気を衛生的な状態に保つために必要な最低限の換気量のことです。部屋の用途や広さ、天井高さ、居住人数の要素を考慮して計算されます。

 

選択肢3. 温度差による換気量は、室内外の温度差の平方根に比例する。

この記述は正しいです。

 

【解説】

温度差が大きいほど、空気の密度差が生じ、換気力が大きくなるため正しい記述となります。

 

 

選択肢4. 温度差換気における中性帯の位置は、開口部の大きいほうに近づく傾向がある。

この記述は正しいです。

 

【解説】

温度差換気における中性帯とは、室内の温度が外気と等しくなり、圧力差がゼロになる水平面のことです。記述のとおり、開口部が大きいほうに近づくため、大きい開口部が上にあれば、上に近づき、下に大きい開口部がある場合、下に近づきます。

温度差換気の場合中性帯の位置に気をつけ、給気口、排気口を設置する必要があります。

選択肢5. 風圧力による換気量は、外部風速に比例する。

この記述は正しいです。

 

【解説】

風力換気の記述になります。

風力換気において換気量は

■風速に比例

■風圧係数の差の平方根に比例

この2つを覚えておきましょう。

 

まとめ

換気問題には用語の意味を理解する事やそれぞれの換気方法における要点をしっかり理解しておく必要があります。

また実務でも必要になる知識なので、暗記するだけではなく理解しておきましょう!

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