二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問9 (学科1(建築計画) 問9)

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問題

二級建築士試験 令和6年(2024年) 問9(学科1(建築計画) 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 人間の聴覚特性に近い周波数特性の重み付けを行って測定される音圧レベルを、騒音レベル(A特性音圧レベル)という。
  • 周波数の高い音に比べて周波数の低い音のほうが、壁や塀などの背後に音が回り込みやすい。
  • 同じ厚さの一重壁の場合、一般に、壁の単位面積当たりの質量が2倍になると、垂直入射の音響透過損失は約6dB大きくなる。
  • 音が球面状に一様に広がる点音源の場合、音源からの距離が2倍になると、音圧レベルは約6dB低くなる。
  • 音源の音響出力を2倍にすると、同じ受音点での音圧レベルは約6dB高くなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

音に関する問題は難易度に当たり外れがあります。

基本的な問題を落とさないようにしましょう。

 

選択肢1. 人間の聴覚特性に近い周波数特性の重み付けを行って測定される音圧レベルを、騒音レベル(A特性音圧レベル)という。

記述は正しいです。

A特性音圧レベルは、人間の聴覚特性を考慮し、

音圧レベルに補正をかけて騒音か否かを判定します。

選択肢2. 周波数の高い音に比べて周波数の低い音のほうが、壁や塀などの背後に音が回り込みやすい。

記述は正しいです。

周波数の低い音は、高い音より壁や塀等の背後に回り込みやすく、

これは回折と呼ばれる現象です。

選択肢3. 同じ厚さの一重壁の場合、一般に、壁の単位面積当たりの質量が2倍になると、垂直入射の音響透過損失は約6dB大きくなる。

記述は正しいです。

透過損失は、壁厚(質量)が2倍になると、約6dB増加します。

(これは覚えちゃいましょう。)

選択肢4. 音が球面状に一様に広がる点音源の場合、音源からの距離が2倍になると、音圧レベルは約6dB低くなる。

記述は正しいです。

点音源の場合、音源からの距離が2倍になると、

音圧レベルは約6dB低くなります。

(これは覚えちゃいましょう。)

 

選択肢5. 音源の音響出力を2倍にすると、同じ受音点での音圧レベルは約6dB高くなる。

記述は誤りです。

音の強さが2倍になると、音圧レベルは約3dB増加します。

(これは覚えちゃいましょう。)

まとめ

音の問題は参考書の解説でどうしても理解できない場合、

割り切って暗記するのも方法です。

得点源になるところに時間を使いましょう。

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02

音に関する問題は、試験で1問は出題されます。それぞれの音の分野の特徴をしっかり覚えておきましょう!

選択肢1. 人間の聴覚特性に近い周波数特性の重み付けを行って測定される音圧レベルを、騒音レベル(A特性音圧レベル)という。

記述は正しいです。

騒音は、音の大きさだけでなく、種類や受け取る相手の精神状態によって影響が変化します。

選択肢2. 周波数の高い音に比べて周波数の低い音のほうが、壁や塀などの背後に音が回り込みやすい。

記述は正しいです。

音が進行方向の障害物を回り込んで伝わる現象を回折といいます。回折は周波数が低い方が生じやすいです。

選択肢3. 同じ厚さの一重壁の場合、一般に、壁の単位面積当たりの質量が2倍になると、垂直入射の音響透過損失は約6dB大きくなる。

記述は正しいです。

音響透過損失とは、壁に入射した音から、透過せずに反射・吸収された音を引いた量をレベルで表しています。つまり、音響透過損失が大きいと、遮音性能が高いということです。

選択肢4. 音が球面状に一様に広がる点音源の場合、音源からの距離が2倍になると、音圧レベルは約6dB低くなる。

記述は正しいです。

点音源の場合、音圧レベルは距離の2倍で音圧レベルは約6dB低くなり、距離が二分の一になると音圧レベルは約6dB高くなります。

選択肢5. 音源の音響出力を2倍にすると、同じ受音点での音圧レベルは約6dB高くなる。

記述は間違っています。

音源の音響出力を2倍にすると、音圧は約3dB高くなり、音響出力を二分の一にすると、音圧レベルは約3dB低くなります。

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03

音の問題は用語の意味の理解をしながら、数字問題は関係性を理解して、数字は暗記してしまいましょう!
 

選択肢1. 人間の聴覚特性に近い周波数特性の重み付けを行って測定される音圧レベルを、騒音レベル(A特性音圧レベル)という。

この記述は正しいです。

それぞれの用語の意味を理解しながら覚えましょう!

 

【用語】

騒音レベル(A特性音圧レベル):騒音の大きさを表す指標の一つです。

特徴としては、人間の聴覚特性を考慮しているため、騒音の影響を評価する上でより現実的な指標となりえます。

単位はdB(A)で表されます。

 

 

選択肢2. 周波数の高い音に比べて周波数の低い音のほうが、壁や塀などの背後に音が回り込みやすい。

この記述は正しいです。

音の性質を理解しながら覚えましょう!

 

【解説】

音は障害物の背後に回り込む性質をもっており、それを回折(かいせつ)現象といいます。

周波数が高い=波長が短い

周波数が低い=波長が長い

といった関係性になり、波長が短く直進性の高い音より、波長が長い音のほうが回り込みやすくなります。

イメージで覚えましょう!

ちなみに、低音が周波数が低く、高温が周波数が高くなるため、低音の防音のほうが難しいといえます。
 

選択肢3. 同じ厚さの一重壁の場合、一般に、壁の単位面積当たりの質量が2倍になると、垂直入射の音響透過損失は約6dB大きくなる。

この記述は正しいです。

それぞれの用語の意味や仕組みを理解しながら覚えましょう!

 

【用語】

音響透過損失:音が壁を通過して減衰する量を表す単語。

損失は壁の面密度(単位面積あたりの質量)に比例して増加します。

 

面密度(単位面積あたりの質量)が2倍=遮音性能は約6dB増加

は暗記してしまいましょう!
 

選択肢4. 音が球面状に一様に広がる点音源の場合、音源からの距離が2倍になると、音圧レベルは約6dB低くなる。

この記述は正しいです。

それぞれの用語の意味や仕組みを理解しながら覚えましょう!

 

【用語】

点音源:音が球面状に一様に広がる音源のことです。

特性として、音の強さは音源からの距離の二乗に反比例する特性を持っています。

 

音圧レベル:音の大きさを表す指標。

騒音レベルとの違いは、騒音レベルが人間の聴覚特性を考慮した補正を加えたものであり、音圧レベルは音の物理的なエネルギーを直接的に表します。

 

点音源にて

音源からの距離が2倍=音圧レベルは約6dB低くなる

は暗記してしまいましょう!

選択肢5. 音源の音響出力を2倍にすると、同じ受音点での音圧レベルは約6dB高くなる。

この記述は間違いです。

約6dB高くなる→× 3dB高くなる→〇

似たような数字を用いた問題が多いので下記も合わせて暗記しちゃいましょう!

 

【暗記ワード】

音響出力が2倍→音圧レベルが3dB増加

音圧が2倍→音圧レベルが6dB増加

まとめ

用語の意味を理解すれば、数字の暗記も安易なはずです。

ぜひ得点源にしましょう。

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