二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問60 (学科3(建築構造) 問10)

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問題

二級建築士試験 令和6年(2024年) 問60(学科3(建築構造) 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

木造建築物の用語とその説明との組合せとして、最も不適当なものは、次のうちどれか。
  • 散りじゃくり ――― 塗壁と周囲の木部との接触部分において、塗壁の乾燥・収縮により、隙間ができるのを防ぐ目的で設ける溝
  • 方づえ鉛直構面の柱と横架材の交点の入隅部分において、柱と横架材を斜めに結んで隅を固める部材
  • 召合せ ――― 同一平面内にある「引分け戸や両開き戸の出会う部分」や「引違い戸の重なり合う部分」
  • 胴縁 ――― 天井材を止め付けるための下地部材
  • 登り淀 ――― 切妻屋根のけらば部分において、屋根勾配に沿って軒先から棟まで傾斜している部材

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは 胴縁 ― 天井材を止め付けるための下地部材 です。


胴縁は本来、柱や間柱の外側に水平に取り付け、壁や外装材を固定するための部材であり、天井下地として用いるのは誤りです。

天井材の下地は野縁(のぶち)が正しい呼称になります。

選択肢1. 散りじゃくり ――― 塗壁と周囲の木部との接触部分において、塗壁の乾燥・収縮により、隙間ができるのを防ぐ目的で設ける溝

塗壁が痩せても見切り部の隙間を目立たせないための溝で、説明は適切です。

選択肢2. 方づえ鉛直構面の柱と横架材の交点の入隅部分において、柱と横架材を斜めに結んで隅を固める部材

説明は適切です。

方づえ(方杖)は柱と梁を斜材でつなぎ、隅を補強する部材を指します。

選択肢3. 召合せ ――― 同一平面内にある「引分け戸や両開き戸の出会う部分」や「引違い戸の重なり合う部分」

建具が閉じたときに合わさる部分を「召合せ」と呼び、説明は適切です。

選択肢4. 胴縁 ――― 天井材を止め付けるための下地部材

胴縁は壁・外装下地であり、天井下地ではありません。

天井には野縁を用います。

よって不適当です。

選択肢5. 登り淀 ――― 切妻屋根のけらば部分において、屋根勾配に沿って軒先から棟まで傾斜している部材

けらば側で軒先から棟まで取り付ける化粧板を登り淀と呼び、説明は適切です。

まとめ

木造用語は似た名前でも役割が異なります。

胴縁は壁下地、野縁は天井下地という区別を押さえておくと混同を避けられます。

そのほか、方づえ・召合せ・登り淀などはそれぞれ構造補強や建具・屋根仕上げの要所となる部材なので、位置と機能を合わせて覚えると実務で役立ちます。

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