二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問68 (学科3(建築構造) 問18)
問題文
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問題
二級建築士試験 令和6年(2024年) 問68(学科3(建築構造) 問18) (訂正依頼・報告はこちら)
- 建築物の耐震設計は、稀に生じる(中程度の)地震動に対して損傷による性能の低下を生じないことを確かめる一次設計と、極めて稀に生じる(最大級の)地震動に対して崩壊・倒壊等しないことを確かめる二次設計から構成される。
- 鉄筋コンクリート造の建築物では、一般に、躯体にひび割れが発生するほど固有周期が長くなる。
- 建築物の各階で重心と剛心の位置が一致しているが、剛性率が0.6未満の階がある場合には、地震時にねじれ振動が生じて損傷を受けやすい。
- 鉄骨造の建築物について、極めて稀に発生する地震に対しては、一般に、鋼材が塑性域に入ることを許容しながら、保有耐力を発揮するまで接合部が破断しないことを確認する。
- 木造軸組構法において、床組における床の面内の強度・剛性を高めるには、厚物の構造用合板を張るなどの方法がある。
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この過去問の解説 (2件)
01
最も不適当なのは、
「建築物の各階で重心と剛心の位置が一致しているが、剛性率が0.6未満の階がある場合には、地震時にねじれ振動が生じて損傷を受けやすい。」です。
ねじれ振動の主な原因は重心と剛心のズレ(偏心)であり、剛性率の不足(軟弱階)が直接ねじれを生むわけではありません。
剛性率が小さい階は変形が大きくなりますが、偏心がない限りねじれが顕著に発生するとはいえません。
適切です。
一次設計(レベル1地震)は損傷防止、二次設計(レベル2地震)は倒壊防止を目的とする二段構えで行います。
妥当です。
ひび割れにより部材剛性が低下し、建物全体の水平剛性が小さくなるため周期が長くなります。
記述が不適当です。
ねじれ振動は重心と剛心の偏心が原因です。
剛性率0.6未満の階は「軟弱階」であり層間変形が大きくなる危険性はありますが、偏心がなければねじれが特に増大するとは限りません。
適切です。
塑性設計では部材が弾塑性化してエネルギーを吸収し、接合部はそれより強い設計とします。
妥当です。
構造用合板(24mm 等)を釘打ちすることで床版がダイアフラムとして働き、面内強度・剛性が向上します。
耐震性能を評価するときは、偏心によるねじれ問題と剛性率による軟弱階問題を区別して考えることが大切です。
偏心がなければ剛性率が小さくてもねじれは顕著になりにくい一方、軟弱階は層間変形の集中という別の危険を抱えます。
設計では両者を同時に満たし、バランスの取れた剛性と強度配置を心掛ける必要があります。
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02
過去問をしっかり解き覚えましょう。
正しいです。
耐震設計の一次設計では、まれに発生する地震に対して弾性内の変形で、建築物の損傷による性能の低下を生じないことを確かめ、二次設計では、極めてまれに発生する地震に対して、塑性変形を許容しますが、崩壊、倒壊しないことを確かめる必要があります。
正しいです。
鉄筋コンクリート造の建築物の躯体にひび割れが発生すると、剛性が低下するため、固有周期は長くなります。
誤りです。
剛性率は各階の剛性のバランスを表すものです。0.6未満の階は損傷が集中しやすいです。
ねじれは偏心率です。
正しいです。
鋼材が塑性域に入り、保有耐力を発揮するまで接合部が破断しないようにすることを保有耐力接合といい、計算によって確認します。
正しいです。
床組の面内強度、剛性を高める方法として、火打ち梁を入れる、根太に構造用合板を張る、厚物の構造用合板を張るなどがあります。
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