二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問72 (学科3(建築構造) 問22)

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問題

二級建築士試験 令和6年(2024年) 問72(学科3(建築構造) 問22) (訂正依頼・報告はこちら)

コンクリートの材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • フライアッシュを使用することにより、フレッシュコンクリートのワーカビリティーを良好にすることができる。
  • コンクリートの水素イオン濃度(pH)は、12~13程度のアルカリ性を示すので、鉄筋の腐食を抑制する効果がある。
  • 骨材の粒径は、均一であるより、小さな粒径から大きな粒径までが混ざり合っているほうが望ましい。
  • 高炉セメントB種を用いたコンクリートは、圧縮強度が同程度の普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートに比べて、湿潤養生期間を短くすることができる。
  • 高性能AE減水剤の使用により、単位水量を低減させるとともに、優れたスランプ保持性能を発揮させることができる。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは、

「高炉セメントB種を用いたコンクリートは、圧縮強度が同程度の普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートに比べて、湿潤養生期間を短くすることができる。」です。


高炉セメントB種は水和反応がゆるやかで、早期強度の発現が遅いため、むしろ湿潤養生を長めに行う必要があります

選択肢1. フライアッシュを使用することにより、フレッシュコンクリートのワーカビリティーを良好にすることができる。

フライアッシュを使用すると、球状粒子がすべりを良くするため、ワーカビリティーが向上します。

練り混ぜ水量の低減やブリーディング抑制にも効果があります。

選択肢2. コンクリートの水素イオン濃度(pH)は、12~13程度のアルカリ性を示すので、鉄筋の腐食を抑制する効果がある。

コンクリートのpHは12~13と強アルカリ性を示し、鉄筋表面に不動態皮膜を形成して腐食を防ぎます

選択肢3. 骨材の粒径は、均一であるより、小さな粒径から大きな粒径までが混ざり合っているほうが望ましい。

骨材は大小さまざまな粒が混ざり合う締まりの良い粒度分布のほうが、空隙が減って水やセメントが節約でき、強度や耐久性が高まります。

選択肢4. 高炉セメントB種を用いたコンクリートは、圧縮強度が同程度の普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートに比べて、湿潤養生期間を短くすることができる。

高炉セメントB種はスラグを多く含むため反応が遅く、同強度まで時間がかかります。

したがって湿潤養生を短縮することはできません

ここが不適当です。

選択肢5. 高性能AE減水剤の使用により、単位水量を低減させるとともに、優れたスランプ保持性能を発揮させることができる。

高性能AE減水剤(スーパープラスチサイザー)は、単位水量を減らしながら流動性を確保し、スランプの保持性も高いので、長時間の打込みでも作業性を保てます。

まとめ

コンクリート材料は、混合する副材料やセメントの種類によって性質が大きく変わります。

特に高炉セメントは長期強度や化学抵抗性に優れますが、初期養生を十分に行うことが欠かせません

材料ごとの特徴を理解し、適切な養生期間や配合を選ぶことが品質確保の基本です。

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