二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問73 (学科3(建築構造) 問23)

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問題

二級建築士試験 令和6年(2024年) 問73(学科3(建築構造) 問23) (訂正依頼・報告はこちら)

鋼材に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 鋼材は、一般に、炭素含有量が多くなると、溶接性が向上する。
  • 軟鋼は、炭素量が約0.15~0.3%の炭素鋼であり、建築用の構造用鋼材として用いられる。
  • 常温において、SN400材のヤング係数とSN490材のヤング係数は、同じである。
  • 鋼材の引張強さは、一般に、温度が200~300℃程度で最大となり、それ以上の温度になると急激に低下する。
  • 鋼材の密度は、コンクリートや木材よりも大きい。

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この過去問の解説 (1件)

01

「鋼材は、一般に、炭素含有量が多くなると、溶接性が向上する。」

という記述が最も不適当です。


鋼材は炭素が増えるほど硬くなりますが、その分だけ溶接時に硬化割れを起こしやすくなり、溶接性は低下します。

選択肢1. 鋼材は、一般に、炭素含有量が多くなると、溶接性が向上する。

誤りです。

炭素量が増えると焼入性が上がり、溶接熱影響部が硬く脆くなるため溶接性は悪化します。

選択肢2. 軟鋼は、炭素量が約0.15~0.3%の炭素鋼であり、建築用の構造用鋼材として用いられる。

適当です。

一般的なSS400・SN材などは炭素量0.25%以下の軟鋼で、建築に広く使われています。

選択肢3. 常温において、SN400材のヤング係数とSN490材のヤング係数は、同じである。

適当です。

鋼のヤング係数は組成や強度にほぼ影響されず、どちらも約2.05×10⁵N/mm²です。

選択肢4. 鋼材の引張強さは、一般に、温度が200~300℃程度で最大となり、それ以上の温度になると急激に低下する。

適当です。

応力ーひずみ曲線は200~300℃で時効硬化の影響を受けわずかに強くなり、400℃超で顕著に低下します。

 

選択肢5. 鋼材の密度は、コンクリートや木材よりも大きい。

適当です。

鋼は約7.85t/m³、コンクリートは約2.4t/m³、木材は0.4~0.6t/m³程度で、鋼が最も重いです。

まとめ

鋼材は炭素量が増えると強度は上がるが溶接性は落ちることが基本です。

対照的に、ヤング係数や密度は炭素量や強度による差が小さいため、使用時には「強度・溶接性」と「弾性・重量」を切り分けて捉えると整理しやすくなります。

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