二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問84 (学科4(建築施工) 問9)

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問題

二級建築士試験 令和6年(2024年) 問84(学科4(建築施工) 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄筋工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • あばら筋の加工寸法の検査において、特記がなかったので、加工後の外側寸法の許容差を±5mmの範囲内とした。
  • 土に接する普通コンクリートを用いた基礎部分の鉄筋の最小かぶり厚さを、特記がなかったので、50mmとした。
  • 粗骨材の最大寸法が20mmの普通コンクリートを用いたので、柱の主筋D19の鉄筋相互のあきを30mmとした。
  • 鉄筋の重ね継手において、鉄筋径が異なる異形鉄筋相互の継手の長さは、細いほうの鉄筋径を基準として算出した。
  • 手動ガス圧接継手の超音波探傷試験の結果、不合格となったロットについては、試験されていない残り全数に対して超音波探傷試験を行い、不良圧接部の選別を行った。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは、

「土に接する普通コンクリートを用いた基礎部分の鉄筋の最小かぶり厚さを、特記がなかったので、50mmとした。」 です。


建築基準法施行令第79条では、土と直接接する基礎の最小かぶり厚さを60mm以上と定めています。

50mmでは基準に達していません。

選択肢1. あばら筋の加工寸法の検査において、特記がなかったので、加工後の外側寸法の許容差を±5mmの範囲内とした。

JASS 5の許容差は外側寸法±5mmです。

基準どおりで問題ありません。

選択肢2. 土に接する普通コンクリートを用いた基礎部分の鉄筋の最小かぶり厚さを、特記がなかったので、50mmとした。

施行令で求められる60mmに不足しています。

かぶりが足りないと腐食や凍害を受けやすく、耐久性が低下します。

選択肢3. 粗骨材の最大寸法が20mmの普通コンクリートを用いたので、柱の主筋D19の鉄筋相互のあきを30mmとした。

鉄筋間隔は「粗骨材最大寸法の1.33倍以上かつ鉄筋径以上」が目安です。

30mmは1.33×20=26.6mmより大きく、許容されます。

 

選択肢4. 鉄筋の重ね継手において、鉄筋径が異なる異形鉄筋相互の継手の長さは、細いほうの鉄筋径を基準として算出した。

適切です。

異径継手は細い方の径を基準に計算するのが原則です。

選択肢5. 手動ガス圧接継手の超音波探傷試験の結果、不合格となったロットについては、試験されていない残り全数に対して超音波探傷試験を行い、不良圧接部の選別を行った。

正しい対応です。

JIS Z 3062では、不合格ロットは未試験部全数を追加検査して不良継手を除去する手順としています。

まとめ

鉄筋工事ではかぶり厚さが耐久性の要となります。

特に土と接する基礎は塩分や湿気に長期さらされるため、規定どおり60mm以上を確保しなければ腐食や凍結による損傷リスクが高まります。

設計図書に指示がなくても、法令・標準仕様を優先して安全な寸法を守ることが重要です。

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