二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問91 (学科4(建築施工) 問16)

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問題

二級建築士試験 令和6年(2024年) 問91(学科4(建築施工) 問16) (訂正依頼・報告はこちら)

木工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 木造2階建ての住宅の通し柱である隅柱に、断面寸法が135mm✕135mmのヒノキの製材を用いた。
  • 管柱と胴差との仕口は、長ほぞ差し込み栓打ちとした。
  • 筋かいと間柱が取合う部分については、間柱を筋かいの厚さだけ欠き取り、釘打ちとした。
  • 土台に使用する木材については、継伸しの都合上、やむを得ず長さ600mmの短材を使用した。
  • 鴨居は、木表に溝を付けて使用した。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当な記述は、

「土台に使用する木材については、継伸しの都合上、やむを得ず長さ600mmの短材を使用した。」です。


土台は建物荷重を基礎へ伝える主要部材で、短材を使う場合でもおおむね1m程度以上の長さを確保するよう木造住宅共通仕様で示されています。

600 mmでは剛性不足になり、アンカーボルト間隔や継手位置の基準も満たせません。

選択肢1. 木造2階建ての住宅の通し柱である隅柱に、断面寸法が135mm✕135mmのヒノキの製材を用いた。

通し柱(隅柱)は二層分を通して荷重を受けるため、135 mm角以上が望ましいとされ、規定値を満たしています。

選択肢2. 管柱と胴差との仕口は、長ほぞ差し込み栓打ちとした。

長ほぞと込み栓は、胴差にせん断力が生じても抜けや回転を抑える確実な接合法として伝統的に採用されており、適切です。

選択肢3. 筋かいと間柱が取合う部分については、間柱を筋かいの厚さだけ欠き取り、釘打ちとした。

筋かいを欠かずに間柱側を筋かい厚さ分だけ欠き取る方法は、筋かいの断面欠損を避ける標準的な納まりで問題ありません。

選択肢4. 土台に使用する木材については、継伸しの都合上、やむを得ず長さ600mmの短材を使用した。

前述のとおり、土台の短材は1 m内外が目安です。

600 mmでは短すぎ、耐力壁脚部の引き抜き・圧縮伝達に支障を生じるため不適当です。

選択肢5. 鴨居は、木表に溝を付けて使用した。

鴨居や敷居は乾燥収縮で木裏側が凸になりやすいため、木表側に溝を設けると建具溝幅の変化が抑えられ、滑りが良好に保てます。

まとめ

土台は短材でも最低約1 m以上を確保することが強度上のポイントです。

通し柱や仕口・溝の向きなどは、木材の寸法・乾燥収縮・荷重伝達を踏まえた伝統的な経験則が現行仕様にも反映されています。

問題を解くときは、「材の大きさ」「接合方法」「部材の役割」に注目すると、不適当な記述を見分けやすくなります。

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