二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問92 (学科4(建築施工) 問17)

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問題

二級建築士試験 令和6年(2024年) 問92(学科4(建築施工) 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

防水工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • アスファルト防水工事の屋根保護防水断熱工法に用いる断熱材は、押出法ポリスチレンフォーム断熱材(スキン層付き)を使用した。
  • アスファルト防水工事において、平場の保護コンクリートに、周辺の立上り部の仕上り面から0.6m程度の位置と、中間部では縦横3.0m程度の間隔に伸縮調整目地を割り付けた。
  • 合成高分子系ルーフィングシート防水工事において、ALCパネル下地に機械的固定工法を適用した。
  • 塗膜防水工事において、下地が十分に乾燥した後、清掃を行い、プライマーを当日の施工範囲にむらなく塗布した。
  • シーリング工事において、バックアップ材にはシーリング材と接着しないものを使用した。

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この過去問の解説 (1件)

01

「合成高分子系ルーフィングシート防水工事において、ALCパネル下地に機械的固定工法を適用した。」

この記述が最も不適当です。


公共建築工事標準仕様書では、合成高分子系ルーフィングシート防水の機械的固定工法はALCパネル下地には適用しないと定めています。

選択肢1. アスファルト防水工事の屋根保護防水断熱工法に用いる断熱材は、押出法ポリスチレンフォーム断熱材(スキン層付き)を使用した。

適当です。

押出法ポリスチレンフォーム3種bのスキン層付きは、屋根保護防水断熱工法の標準断熱材として位置付けられています。

選択肢2. アスファルト防水工事において、平場の保護コンクリートに、周辺の立上り部の仕上り面から0.6m程度の位置と、中間部では縦横3.0m程度の間隔に伸縮調整目地を割り付けた。

適当です。

目地は立上りから0.6m以内、平場はおおむね3mごとに設けるのが一般的な設計例です。

選択肢3. 合成高分子系ルーフィングシート防水工事において、ALCパネル下地に機械的固定工法を適用した。

不適当です。

ALCは下地自体が脆く、アンカーの引抜耐力が不足しがちです。

そのためビスやプレートで留め付ける機械的固定は許可されておらず、接着工法などを選ぶ必要があります。

選択肢4. 塗膜防水工事において、下地が十分に乾燥した後、清掃を行い、プライマーを当日の施工範囲にむらなく塗布した。

適当です。

下地の乾燥確認と清掃、直前のプライマー塗布は密着性を高める基本操作です。

選択肢5. シーリング工事において、バックアップ材にはシーリング材と接着しないものを使用した。

適当です。

シーリング材が三面接着になると破断しやすくなるため、底面と接着しないポリエチレンフォームなどを使うのが原則です。

まとめ

防水工事は下地の種類に合わせて工法を選ぶことが重要です。

ALC下地には機械的固定が不可というポイントを押さえておくと、他の防水仕様との使い分けにも役立ちます。

残りの記述は、断熱材の選定、伸縮目地の配置、塗膜防水の下地処理、シーリングの三面接着防止など、いずれも実務で求められる標準的な手順に沿っています。

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