二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問94 (学科4(建築施工) 問19)

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問題

二級建築士試験 令和6年(2024年) 問94(学科4(建築施工) 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

塗装工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 屋外のセメントモルタル面の素地ごしらえにおいて、合成樹脂エマルションパテを使用した。
  • 屋内のセメントモルタル面のアクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、下塗りには、シーラーではなく、上塗りと同一材料を使用した。
  • 屋外の鉄鋼面は、合成樹脂調合ペイント塗りとした。
  • 屋内の木部のクリヤラッカー塗りの中塗りには、サンジングシーラーを使用した。
  • 夏期におけるコンクリート面への塗装に当たり、コンクリート素地の材齢による乾燥期間の目安を3週間とした。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当な記述は、

「屋外のセメントモルタル面の素地ごしらえにおいて、合成樹脂エマルションパテを使用した。」です。


合成樹脂エマルションパテは水に弱く、屋外や常に湿る場所では原則使わないと公共建築仕様やメーカー資料に明記されています。

選択肢1. 屋外のセメントモルタル面の素地ごしらえにおいて、合成樹脂エマルションパテを使用した。

外部は雨水や結露で長時間湿潤になります。

エマルションパテは室内専用の調整材なので、屋外に使うと膨れ・剥離の原因になります。

したがって不適当です。

選択肢2. 屋内のセメントモルタル面のアクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、下塗りには、シーラーではなく、上塗りと同一材料を使用した。

カチオン型などの非水分散形アクリル塗料は、吸い込みが激しい下地でなければシーラーを省き、同一材料で下・中・上塗りとする仕様が推奨されています。

屋内モルタル面はその条件に当てはまり、適切です。

選択肢3. 屋外の鉄鋼面は、合成樹脂調合ペイント塗りとした。

適切です。

合成樹脂調合ペイント(SOP)は、鉄鋼面の屋外仕上げにも使えるとJASS 18や塗料メーカーの標準仕様に示されています。

選択肢4. 屋内の木部のクリヤラッカー塗りの中塗りには、サンジングシーラーを使用した。

サンジングシーラーは研磨性が高く、ラッカー系クリヤ仕上げの下・中塗り材として定番です。

導管を埋めて平滑にできるので適切です。

選択肢5. 夏期におけるコンクリート面への塗装に当たり、コンクリート素地の材齢による乾燥期間の目安を3週間とした。

JASS 18などでは夏期の最低乾燥期間をおおむね2週間としています。

3週間はそれ以上確保しているため問題ありません。

まとめ

外部か内部かで使える下地調整材や塗料が大きく変わります。

外部は水に強い材料を選ぶことが鉄則です。

下塗りは「吸い込み止め」「付着力向上」の役目がありますが、製品によっては上塗り材を兼ねる場合もあります。

仕様書をよく確認しましょう。

乾燥期間は温度・湿度で変わるため、ガイドラインより長めに取ると安全です。
部材の性質と環境条件を踏まえて材料を選ぶことが、不具合のない塗装仕上げにつながります。

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