二級建築士 過去問
令和6年(2024年)
問96 (学科4(建築施工) 問21)

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問題

二級建築士試験 令和6年(2024年) 問96(学科4(建築施工) 問21) (訂正依頼・報告はこちら)

木造住宅における設備工事に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 給水管と排水管とを平行に地中に埋設するに当たり、両配管の水平間隔を500mm以上とし、給水管が排水管の上方となるように埋設した。
  • 給水横走り管は、上向き給水管方式を採用したので、先下がりの均一な勾配で配管した。
  • 呼び径25mmの屋内給水管の防露・保温材には、特記がなかったので、厚さ20mmの保温筒を使用した。
  • ユニットバスの設置に当たって、下地枠の取付けに並行して、端末設備配管を行った。
  • LPガス(液化石油ガス)のガス漏れ警報設備の検知部は、ガス燃焼器から水平距離4m以内、かつ、その上端が床面から上方0.3m以内の位置となるように取り付けた。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当な記述は、

「給水横走り管は、上向き給水管方式を採用したので、先下がりの均一な勾配で配管した。」です。


上向き給水管方式では、管内に空気がたまらないよう流れ方向に向かって上がる「先上がり勾配」にするのが原則です。

先下がりにすると空気だまりができ、給水障害や騒音の原因になります。

選択肢1. 給水管と排水管とを平行に地中に埋設するに当たり、両配管の水平間隔を500mm以上とし、給水管が排水管の上方となるように埋設した。

適切です。

汚水が漏れても給水を汚染しないように500 mm以上離し、給水管を上に配置することが上水設計要領などで求められています。

選択肢2. 給水横走り管は、上向き給水管方式を採用したので、先下がりの均一な勾配で配管した。

上向き給水方式は最下階の主配管から各階へ水を押し上げるため、横走り管は先上がり勾配にして空気を上方へ追い出します。

先下がりでは逆効果となるため不適当です。

選択肢3. 呼び径25mmの屋内給水管の防露・保温材には、特記がなかったので、厚さ20mmの保温筒を使用した。

適切です。

25 mmクラスの給水管で結露防止を目的とする場合、20 mm程度の保温厚さが標準的で、公共建築工事標準仕様書の例示にも合致します。

選択肢4. ユニットバスの設置に当たって、下地枠の取付けに並行して、端末設備配管を行った。

浴槽を据える前に給水・給湯・排水の端末位置を合わせておくと、枠組みとの干渉を避けられ、施工手戻りも防げます。

同時進行は推奨手順で問題ありません。

選択肢5. LPガス(液化石油ガス)のガス漏れ警報設備の検知部は、ガス燃焼器から水平距離4m以内、かつ、その上端が床面から上方0.3m以内の位置となるように取り付けた。

LPガスは空気より重いため、床近く(上端30 cm以内)・燃焼器から4 m以内が設置基準です。

条件を満たしており適切です。

まとめ

横走り管の勾配は給水の流れ方向に対して「空気が抜ける側を高く」するのが鉄則です。

方式を取り違えないよう注意しましょう。

配管の位置関係や保温厚さなどは、公的仕様書に具体的な数値が示されています。

覚える際は「安全・衛生上の理由」をセットで理解すると忘れにくくなります。

設備工事の問題では、勾配・離隔・設置高さといった数字がよく問われます。

現場写真や図面でイメージしながら確認すると実務にも役立ちます。

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