建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第49回(令和元年度(2019年))
問51 (空気環境の調整 問51)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第49回(令和元年度(2019年)) 問51(空気環境の調整 問51) (訂正依頼・報告はこちら)

下の図のように、風上側と風下側にそれぞれ一つの開口部を有する建築物における外部の自然風のみによる自然換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
問題文の画像
  • 換気量は、外部の自然風の風速に比例する。
  • 換気量は、開口部①と②の風圧係数の差に比例する。
  • 開口部①と②の両方の開口面積を2倍にすると、換気量は2倍になる。
  • 風下側に位置する開口部②の風圧係数は、一般的に負の値となる。
  • 流量係数は、開口部の形状に関係する。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは「換気量は、開口部①と②の風圧係数の差に比例する。」です。
風による自然換気量 Qはおおよそ

Q=Cd​Aeq​v√(Cp1​−Cp2)​​

と表されます。ここで

Cd:流量係数(開口形状に依存)

Aeq:有効開口面積

v:外気の風速

Cp1,Cp2:風上・風下開口部の風圧係数

式から分かるように 換気量は風圧係数の差の平方根に比例 します。差そのものに比例するわけではないため、この選択肢は誤りです。

選択肢1. 換気量は、外部の自然風の風速に比例する。

上式では Qが風速 vに一次比例しており、正しいです。

選択肢2. 換気量は、開口部①と②の風圧係数の差に比例する。

実際は平方根に比例するので不適当です。

選択肢3. 開口部①と②の両方の開口面積を2倍にすると、換気量は2倍になる。

有効開口面積 Aeqは両開口面積と同じ倍率で変わるため、換気量も2倍になります。

選択肢4. 風下側に位置する開口部②の風圧係数は、一般的に負の値となる。

建物背面は負圧域になるため、風圧係数は通常マイナスで正しい記述です。

選択肢5. 流量係数は、開口部の形状に関係する。

Cd​は開口部がシャープエッジかベルマウスかなど形状によって変わります。正しいです。

まとめ

・風による自然換気量は 風速に一次比例風圧係数差の平方根に比例

・面積を同倍率で広げれば換気量も同倍率で増える。

・風下開口は負圧、流量係数は形状依存。

したがって「風圧係数の差に比例する」と断言する説明だけが不適当となります。

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