建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第50回(令和2年度(2020年))
問123 (給水及び排水の管理 問123)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第50回(令和2年度(2020年)) 問123(給水及び排水の管理 問123) (訂正依頼・報告はこちら)

給湯設備の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 器具のワッシャには、天然ゴム製のものを使用する。
  • 使用頻度の少ない給湯栓は、定期的に停滞水の排出を行い、給湯温度の測定を行う。
  • 貯湯槽は、定期的に底部の滞留水の排出を行う。
  • SUS444製の貯湯槽には、電気防食を施してはならない。
  • 給湯栓から出る湯が分離気体によって白濁する場合は、自動空気抜き弁の空気排出口が詰まっている可能性がある。

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この過去問の解説 (1件)

01

もっとも不適当なのは 器具のワッシャに天然ゴム製を使う という記述です。天然ゴムは熱や塩素で傷みやすく、細菌の栄養源にもなるため、給湯器具には耐熱・耐薬品性に優れた合成ゴム(EPDMなど)のワッシャを用います。

選択肢1. 器具のワッシャには、天然ゴム製のものを使用する。

天然ゴムは60 ℃付近から劣化が速まり、長期間お湯に触れると溶けて漏水や細菌増殖の原因になります。給湯器具では合成ゴムを選ぶのが標準です。

選択肢2. 使用頻度の少ない給湯栓は、定期的に停滞水の排出を行い、給湯温度の測定を行う。

流さずに放置すると水温が下がり、レジオネラ属菌などが増えやすくなります。配管内の湯を定期的に排出して55 ℃以上か確認する方法が推奨されています。

選択肢3. 貯湯槽は、定期的に底部の滞留水の排出を行う。

底にたまる汚れやスケールを除くことで水質悪化と菌の増殖を防げます。年1回以上の排出・清掃が維持管理指針に示されています。

選択肢4. SUS444製の貯湯槽には、電気防食を施してはならない。

フェライト系ステンレスSUS444は塩化物による応力腐食割れに強く、水素脆化の恐れがあるため電気防食(印加電流方式など)は不要かつ避けるべきとされています。

選択肢5. 給湯栓から出る湯が分離気体によって白濁する場合は、自動空気抜き弁の空気排出口が詰まっている可能性がある。

配管内で空気が分離しても空気抜きが働かないと、気泡が湯に混ざり白く見えます。排出口のごみ詰まりが典型的な原因です。

まとめ

天然ゴムのワッシャは給湯用に不向き なので、耐熱合成ゴムへ交換します。

レジオネラ対策では「温度管理」「滞留水の除去」「機器の定期清掃」が三本柱です。

貯湯槽の材質によって防食方法が異なり、SUS444のように追加防食が不要なケースもあります。

湯が白く濁ったら、まず空気抜き弁の点検を行うと早期解決につながります。

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