建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問40 (建築物の環境衛生 問40)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問40(建築物の環境衛生 問40) (訂正依頼・報告はこちら)

水質汚濁に係る環境基準項目に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
  • ヒ素は、急性ばく露により皮膚の色素沈着を起こす。
  • 鉛は、水俣病の原因となる。
  • カドミウムは、水質汚濁に関する環境基準において検出されないこととなっている。
  • アルキル水銀は、生物学的濃縮を起こす。
  • ベンゼンは、ヒトに対する発がん性は認められない。

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この過去問の解説 (1件)

01

もっとも適当なのは「アルキル水銀は、生物学的濃縮を起こす。」です。
アルキル水銀(代表例:メチル水銀)は水中のプランクトン → 小魚 → 大型魚へと食物連鎖を通じて生物濃縮・生物蓄積し、人が汚染魚介類を食べることで健康被害を受けることが知られています。

選択肢1. ヒ素は、急性ばく露により皮膚の色素沈着を起こす。

皮膚の色素沈着や角化亢進は長期(慢性)ばく露でみられる症状です。急性中毒では消化器症状や循環不全が主体となります。

選択肢2. 鉛は、水俣病の原因となる。

水俣病はメチル水銀による中毒で起こる神経疾患です。鉛ではありません。

選択肢3. カドミウムは、水質汚濁に関する環境基準において検出されないこととなっている。

カドミウムの環境基準は河川では 0.003 mg/L 以下(地下水は 0.01 mg/L 以下など)の数値基準が示されており、「検出されないこと」とは規定されていません。

選択肢4. アルキル水銀は、生物学的濃縮を起こす。

メチル水銀は食物連鎖で濃縮され、トップに近い大型魚ほど高濃度になります。適当な記述です。

選択肢5. ベンゼンは、ヒトに対する発がん性は認められない。

ベンゼンは骨髄性白血病などとの関連が確認されており、IARC ではグループ1(ヒトに対して発がん性あり)に分類されています。

まとめ

水質汚濁に係る有害物質では

アルキル水銀:生物濃縮しやすい(正しい記述)

ヒ素:慢性影響で皮膚症状

鉛:水俣病とは無関係

カドミウム:数値基準あり

ベンゼン:発がん性あり

と整理して覚えておくと混同を防げます。

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