建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問87 (空気環境の調整 問87)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問87(空気環境の調整 問87) (訂正依頼・報告はこちら)

遮音と振動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 道路交通による振動は、不規則に起こり、変動が大きい。
  • 隔壁を介する2室間の遮音性能は、受音室の吸音力が大きいほど高くなる。
  • カーペットや畳等を敷いても、重量床衝撃音はほとんど軽減できない。
  • 床衝撃音に関する遮音等級のLr値は、値が大きい方が、遮音性能が高いことを表す。
  • コインシデンス効果により、壁面の透過損失は減少する。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「床衝撃音に関する遮音等級のLr値は、値が大きい方が、遮音性能が高いことを表す。」です。

 

この問題は、遮音と振動に関するものです。建築物の快適性や健康への影響を考慮する上で、

遮音性能や振動の特性を理解することは重要です。

特に遮音等級や振動の種類、音の伝播に関する知識が問われており、

実務にも直結する内容です。Lr値と遮音性能の関係に注意しましょう。

選択肢1. 道路交通による振動は、不規則に起こり、変動が大きい。

正しいです。道路交通による振動は、車両の種類、速度、道路の状態などによって異なり、

時間的にも空間的にも不規則に発生します。

特に大型車両の通行や路面の凹凸がある場合には、振動の強度や周波数が大きく変動します。

建築物の設計や周辺環境の評価においては、

この不規則性を考慮する必要があります。

選択肢2. 隔壁を介する2室間の遮音性能は、受音室の吸音力が大きいほど高くなる。

正しいです。遮音性能は、音源室から受音室への音の伝播をどれだけ防げるかを示しますが、

受音室内の吸音材の有無や性能によって、実際に聞こえる音の大きさが変わります。

吸音力が高いほど、反射音が減少し、体感的な遮音性能が向上します。

 

選択肢3. カーペットや畳等を敷いても、重量床衝撃音はほとんど軽減できない。

正しいです。重量床衝撃音(例:人が飛び跳ねる音や物を落とす音)は、

低周波成分を多く含み、床材の質量や構造に大きく依存します。

カーペットや畳などの柔らかい素材は、軽量衝撃音(例:スリッパの足音)には効果がありますが、

重量衝撃音にはほとんど効果がありません。

対策には浮き床構造などが必要です。

選択肢4. 床衝撃音に関する遮音等級のLr値は、値が大きい方が、遮音性能が高いことを表す。

不適当です。Lr値(床衝撃音レベル)は、床衝撃音の大きさを示す指標であり、

値が小さいほど遮音性能が高いです。

Lr値が大きいということは、衝撃音が大きく、遮音性能が低いことになります。

遮音等級の評価では、Lr値の低減が目標となります。

選択肢5. コインシデンス効果により、壁面の透過損失は減少する。

正しいです。コインシデンス効果とは、音波の波長と壁材の固有振動が一致することで、

音の透過が増加する現象です。この現象が起こると、壁の遮音性能が低下し、

透過損失(音が減衰する度合い)が減少します。

特に薄い板材や軽量壁で顕著に現れるため、設計時には注意が必要です。

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