建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問110 (給水及び排水の管理 問111)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問110(給水及び排水の管理 問111) (訂正依頼・報告はこちら)

給水設備の汚染に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 逆サイホン作用とは、給水管内に生じた負圧により、水受け容器にいったん吐水された水が給水管内に逆流することである。
  • クロスコネクションとは、飲料水系統と他の配管系統を配管などで直接接続することである。
  • 洗面器における吐水口空間は、給水栓の吐水口と洗面器のあふれ縁との垂直距離である。
  • 大便器の洗浄弁の下流側には、一般に圧力式バキュームブレーカを設置する。
  • 逆サイホン作用の防止対策の基本は、吐水口空間を設けることである。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「大便器の洗浄弁の下流側には、一般に圧力式バキュームブレーカを設置する。」です。

 

この問題は、給水設備の汚染に関するものです。

給水設備の汚染防止には、逆流防止措置が不可欠です。

逆サイホン作用やクロスコネクションによる逆流は、

飲料水系統への汚染を引き起こす可能性があるため、

構造的な対策(吐水口空間の確保、バキュームブレーカの設置など)が重要です。

選択肢1. 逆サイホン作用とは、給水管内に生じた負圧により、水受け容器にいったん吐水された水が給水管内に逆流することである。

正しいです。逆サイホン作用とは、給水管内の圧力が低下(負圧)した際に、

吐水口から水が逆流して給水管内に戻る現象です。

これは、洗面器や便器などの水受け容器に一度吐水された水が、

負圧によって吸い戻されることで起こります。

飲料水系統への汚染を防ぐためには、

吐水口空間の確保や逆流防止器具の設置が必要です。

選択肢2. クロスコネクションとは、飲料水系統と他の配管系統を配管などで直接接続することである。

正しいです。クロスコネクションとは、

飲料水系統と非飲料水系統(冷却水・排水・再利用水など)を、

直接接続することであり、逆流による汚染リスクが非常に高いです。

例えば、冷却塔やボイラーなどの設備で誤って接続すると、汚染水が飲料水系統に混入する可能性があります。

水道法や建築基準法では、クロスコネクションの禁止と防止措置が明確に定められています。

選択肢3. 洗面器における吐水口空間は、給水栓の吐水口と洗面器のあふれ縁との垂直距離である。

正しいです。吐水口空間とは、給水栓の吐水口と洗面器の、

あふれ縁(オーバーフローエッジ)との垂直距離を指し、

逆流防止のために確保する空間です。この距離が十分でないと、

逆サイホン作用や水圧変動により汚水が給水管に逆流する危険があります。

衛生器具の設計においては、吐水口空間の確保が、

基本的な逆流防止策として重要です。

選択肢4. 大便器の洗浄弁の下流側には、一般に圧力式バキュームブレーカを設置する。

不適当です。圧力式バキュームブレーカは、

常時加圧される配管には使用できないため、

大便器の洗浄弁の下流側(つまり便器に近い側)に設置するのは、

衛生上のリスクが高いです。

通常は、洗浄弁の上流側(給水管側)に設置し、

逆サイホン作用による逆流を防止します。

選択肢5. 逆サイホン作用の防止対策の基本は、吐水口空間を設けることである。

正しいです。逆サイホン作用による逆流を防ぐためには、

吐水口空間(エアギャップ)を設けることが、

最も基本的かつ有効な対策です。

これにより、給水管と水受け容器の間に空気層が生じ、物理的に逆流を防止できます。

特に洗面器・流し・便器などの衛生器具では、

構造的にこの空間を確保することが設計基準として定められています。

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