建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問178 (ねずみ、昆虫等の防除 問179)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問178(ねずみ、昆虫等の防除 問179) (訂正依頼・報告はこちら)

ねずみ・昆虫等の防除に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
  • ネズミや害虫に対しては、薬剤処理とトラップによる対策を優先的に実施する。
  • IPMにおける警戒水準とは、すぐに防除作業が必要な状況をいう。
  • 生息密度調査の結果が許容水準に該当した場合、原則として6カ月以内に一度、又は発生の多い場所では、2カ月以内に一度の定期的な調査を継続する。
  • チャバネゴキブリが発生している厨房内の5箇所に3日間配置した粘着トラップでの捕獲数が、成虫30匹と幼虫120匹であった場合のゴキブリ指数は30である。
  • ゴキブリ防除用として、医薬品や医薬部外品として承認された殺虫剤の代わりに使用できる農薬がある。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も適当なのは「生息密度調査の結果が許容水準に該当した場合、原則として6カ月以内に一度、又は発生の多い場所では、2カ月以内に一度の定期的な調査を継続する。」です。
IPMでは、許容水準にあるときは大がかりな防除よりも定期的なモニタリングを続けることが基本です。一般区域はおおむね半年に1回、リスクが高い場所はおおむね2か月に1回など、頻度を上げて見張ります。

選択肢1. ネズミや害虫に対しては、薬剤処理とトラップによる対策を優先的に実施する。

不適当です。 IPMの優先は環境的対策(餌・水・隠れ場所・侵入路の管理)と発生予防です。薬剤やトラップは必要最小限で、環境改善の後に検討します。

選択肢2. IPMにおける警戒水準とは、すぐに防除作業が必要な状況をいう。

不適当です。 警戒水準は「注意深い監視と原因是正の検討を要する段階」です。即時の大規模防除(要防除・要改善)」とは区別します。

選択肢3. 生息密度調査の結果が許容水準に該当した場合、原則として6カ月以内に一度、又は発生の多い場所では、2カ月以内に一度の定期的な調査を継続する。

適当です。 許容水準=容認できるレベルなので、定期モニタリングの継続が基本です。一般区域は半年に1回程度、発生しやすい区域は2か月に1回程度の見直しが妥当です。

選択肢4. チャバネゴキブリが発生している厨房内の5箇所に3日間配置した粘着トラップでの捕獲数が、成虫30匹と幼虫120匹であった場合のゴキブリ指数は30である。

不適当です。 ゴキブリ指数は一般に(総捕獲数)÷(トラップ数×設置日数)で求めます。
この場合は150÷(5×3)=10です。30ではありません。

選択肢5. ゴキブリ防除用として、医薬品や医薬部外品として承認された殺虫剤の代わりに使用できる農薬がある。

不適当です。 室内の衛生害虫防除には、用途・適用害虫・場所が承認された医薬品/医薬部外品(防除用)を用います。農薬(農薬取締法の製品)を代用することはできません

まとめ

IPMの基本は、予防と環境管理を優先し、薬剤は必要最小限です。

水準の意味は、許容<警戒<要改善(要防除)のイメージで整理すると判断しやすいです。

モニタリングは、許容なら継続監視高リスク区域は頻度を上げる方針が安全です。

指数の計算は総数÷(トラップ×日数)を覚えておくとミスを避けられます。

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