建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第52回(令和4年度(2022年))
問68 (空気環境の調整 問68)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第52回(令和4年度(2022年)) 問68(空気環境の調整 問68) (訂正依頼・報告はこちら)

空気調和設備の各種熱源方式の特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • コージェネレーション方式は、電力需要を主として運転することにより最も高いエネルギー利用効率が得られる。
  • ガスエンジンヒートポンプ方式は、エンジン排熱を有効利用することができるため、寒冷地における暖房熱源に適している。
  • 蓄熱システムは、電力負荷平準化や熱源装置容量削減に効果がある。
  • 水熱源方式のヒートポンプは、地下水や下水熱等の未利用エネルギー利用に適している。
  • 地域冷暖房システムは、地域での熱源集約化や集中管理化のメリットがある。

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この過去問の解説 (1件)

01

コージェネレーション方式は、電力需要を主として運転することにより最も高いエネルギー利用効率が得られる。
これは不適当です。コージェネは発電時に出る「熱」も余さず使うことで高効率になります。熱需要を主に考えて運転(熱主導)すると、排熱をムダにしにくく、結果として総合効率が高くなります。電力主導だと排熱が余りやすく、効率が落ちやすいです。

選択肢1. コージェネレーション方式は、電力需要を主として運転することにより最も高いエネルギー利用効率が得られる。

不適当です。 コージェネのカギは排熱の有効利用です。熱主導(熱需要に合わせる)で運転すると、排熱を暖房・給湯・再生吸収式冷凍機などにフル活用でき、総合効率が最大化します。電力主導では余熱が捨て熱になりやすく、効率低下につながります。

選択肢2. ガスエンジンヒートポンプ方式は、エンジン排熱を有効利用することができるため、寒冷地における暖房熱源に適している。

適当です。 GHPはガスエンジンの排熱を室内機の霜取り・加熱補助給湯に使えます。外気温が低い状況でも暖房能力を確保しやすいのが特長です。

選択肢3. 蓄熱システムは、電力負荷平準化や熱源装置容量削減に効果がある。

適当です。 夜間に冷熱・温熱をためて昼間に使うことで、ピーク電力を抑え熱源機の容量を小さくできます。運用コストの平準化にも役立ちます。

選択肢4. 水熱源方式のヒートポンプは、地下水や下水熱等の未利用エネルギー利用に適している。

適当です。 地下水・河川水・下水処理水などは年間を通じて温度が安定しており、水熱源HP高効率運転に向いています。未利用エネルギーの活用例です。

選択肢5. 地域冷暖房システムは、地域での熱源集約化や集中管理化のメリットがある。

適当です。 複数建物をまとめて大規模・高効率の熱源で供給し、集中監視・集中保守ができます。個別設置より省エネ・省スペース・環境負荷低減が期待できます。

まとめ

コージェネは排熱の使い切りが勝負。熱主導運転で高効率になります。

GHPは排熱有効利用で寒冷地暖房に強い方式です。

蓄熱はピークカットと熱源容量の圧縮に有効です。

水熱源HPは未利用熱(地下水・下水熱など)の活用に適します。

地域冷暖房熱源の集約・集中管理でトータルのメリットが出ます。

この整理から、電力主導が最も高効率とする記述だけが外れていると判断できます。

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