建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第52回(令和4年度(2022年))
問72 (空気環境の調整 問72)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第52回(令和4年度(2022年)) 問72(空気環境の調整 問72) (訂正依頼・報告はこちら)

加湿装置に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 滴下式は、吹出し空気の温度が低下する。
  • 蒸気式は、吹出し空気の温度が低下しない。
  • 超音波式は、給水中の不純物が放出される。
  • 透湿膜式は、給水中の不純物は放出されない。
  • 電極式は、純水で加湿する。

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この過去問の解説 (1件)

01

加湿装置のしくみ

ビルの空調には「加湿装置」というしくみがあります。
これは、空気に水分を加えて、乾燥を防ぐための装置です。
加湿装置にはいくつかの種類があり、それぞれの特徴を知ることで、どんな場所に向いているかが分かります。

 

滴下式(しずくを落として加湿)
水をしずくのように落として、空気に水分を加えるしくみです。
水が蒸発するときに熱をうばうので、吹き出す空気の温度が下がります。

 

蒸気式(お湯の湯気で加湿)
水を温めて蒸気にして、空気に水分を加えるしくみです。
温かい蒸気を使うので、吹き出す空気の温度は下がりません。

 

超音波式(細かい水のつぶで加湿)
超音波を使って、水をとても細かいつぶにして空気にまぜるしくみです。
水の中にある不純物(ゴミやミネラル)がそのまま空気中に出てしまうことがあります。

 

透湿膜式(きれいな水だけ通す加湿)
特別な膜を使って、水の中の不純物を取りのぞきながら加湿するしくみです。
不純物は放出されません。

 

電極式(電気の力で水を温める)
水に電気を流して温め、蒸気を作るしくみです。
水の中にミネラルがないと電気が流れないので、純水では加湿できません。

 

間違えやすいポイント

電極式は純水で加湿する
正しくは「純水では電気が流れないので加湿できない」です。

このため、「電極式は純水で加湿する」が最も不適当な選択肢になります。

選択肢1. 滴下式は、吹出し空気の温度が低下する。

🎯 正しいです。


水をフィルターにしみ込ませて蒸発させる方式なので、空気の温度が下がります。
夏に濡れたタオルを振ると涼しくなるのと同じ原理です。

選択肢2. 蒸気式は、吹出し空気の温度が低下しない。

🎯 正しいです。


お湯を沸かして蒸気を出す方式なので、空気の温度は下がりません。
冬に加湿器から出る蒸気が暖かいのと同じです。

選択肢3. 超音波式は、給水中の不純物が放出される。

🎯 正しいです。


水を細かい霧にして加湿するので、水の中の不純物も一緒に空気中に出てしまいます。
水道水を使うとカルキが白くなることがあります。

選択肢4. 透湿膜式は、給水中の不純物は放出されない。

🎯 正しいです。
 

膜を通して水蒸気だけを出すので、不純物は空気中に出ません。
キレイな加湿ができます。

選択肢5. 電極式は、純水で加湿する。

❌ 誤りです。


電気を通す水が必要なので、純水ではなく水道水を使います。
純水は電気を通さないので、電極式加湿器では使えません。

まとめ

✅ 最も不適当な選択肢は「電極式は、純水で加湿する。」です。
✅ 電極式加湿器は、水の電気伝導性を利用するため、純水ではなく水道水を使用します。
✅ その他の選択肢は、加湿装置の特徴として適当な記述となります。

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