第三種電気主任技術者の過去問
平成27年度(2015年)
電力 問32

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成27年度(2015年) 電力 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

電圧66kV、周波数50Hz、こう長5kmの交流三相3線式地中電線路がある。ケーブルの心線1線当たりの静電容量が0.43µF/km、誘電正接が0.03%であるとき、このケーブル心線3線合計の誘電体損の値[W]として、最も近いものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、3番の883[W]です。


【解説】

「誘電正接が0.03%」とは、
「当コンデンサで消費される進み無効電力の、0.03%が有効電力成分の損失(誘電体損)となる」
という意味です。

通常の計算問題では、理想的なコンデンサとして無視されることが多いですが、現実のコンデンサには誘電正接が存在し、僅かながら誘電体損が発生します。


【計算】

1、当コンデンサで消費される進み無効電力Qを求めます。

 1線あたりの静電容量
  C=0.43*5=2.15[μF]

 3線合計の進み無効電力
  Q=3*2πfC(V/√3)^2 より
   =3*2π*50*2.15*(66/√3)^2
   =2.9422*10^6[Var]

 (※単位については、[μF]*[kV]^2 であるため
    10^-6*(10^3)^2=1
  となり、上記の計算で問題ないことが分かります。) 


2、誘電体損を求めます。

 誘電体損=2.9422*10^6 * 0.03/100
     ≒883[W]

となります。

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02

誘電正接は理想的なコンデンサに流れる電流Icに対する、実際のコンデンサに生じる抵抗成分Irのことです。
今回はコンデンサに流れる電流の0.03%です。

誘電損失P=IrV=IcV×(0.03%)=2πfC×V^2×(0.03%)
C=5×0.43=2.15[µF/km]

3線合計の誘電体損の値ですから、
P=2π×50×2.15×10^(-6)×(66000/√3)^2×3×10^(-4)
=883[W]

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03

誘電体損は、下記の公式により算出することができます。

 

 【公式】誘電体損 Wr = ωCE2tanδ

 

数値を代入すると、下記のとおりになります。

 

  Wr = ωCE2tanδ

   =2×3.14×50×0.43×10-6×(66×10320.03/100

          =883[W]

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