第三種電気主任技術者の過去問
平成27年度(2015年)
機械 問44

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成27年度(2015年) 機械 問44 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章は、直流機に関する記述である。

図は、ある直流機を他励発電機として運転した場合と分巻発電機として運転した場合との外部特性曲線を比較したものである。回転速度はいずれも一定の同じ値であったとする。このとき、分巻発電機の場合の特性は( ア )である。
また、この直流機を分巻発電機として運転した場合と同じ極性の端子電圧を外部から加えて分巻電動機として運転すると、界磁電流の向きは発電機運転時と( イ )となり、回転方向は( ウ )となる。これらの向きの関係から、分巻機では、電源電圧を誘導起電力より低くすることで、電動機運転の状態から結線を変更せずに( エ )ができ、エネルギーを有効に利用できる。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • (ア)A  (イ)同じ向き  (ウ)逆向き   (エ)回生制動
  • (ア)B  (イ)同じ向き  (ウ)同じ向き  (エ)回生制動
  • (ア)A  (イ)逆向き   (ウ)逆向き   (エ)発電制動
  • (ア)B  (イ)逆向き   (ウ)同じ向き  (エ)回生制動
  • (ア)A  (イ)逆向き   (ウ)同じ向き  (エ)発電制動

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この過去問の解説 (3件)

01

正しい組み合わせは、2番です。


(ア)
直流分巻発電機の場合の特性は「B」です。分巻発電機は界磁回路と電機子回路が並列に接続されています。よって、電機子電流の増加に伴い、電機子抵抗による電圧降下も大きくなり、界磁巻線に加わる電圧が小さくなります。つまり端子電圧が小さくなります。この関係を表現したグラフはBです。


(イ)
また、この直流機を分巻発電機として運転した場合と同じ極性の端子電圧を外部から加えて分巻電動機として運転すると、界磁電流の向きは発電機運転時と「同じ向き」となります。


(ウ)
回転方向も「同じ向き」となります。
なお、発電機と電動機で電流の向きが変わるのは、電機子電流です。


(エ)
これらの向きの関係から、分巻機では、電源電圧を誘導起電力より低くすることで、電動機運転の状態から結線を変更せずに「回生制動」ができ、エネルギーを有効に利用できます。
この回生制動は、電動機運転中に電源電圧を下げて発電機運転することで、ブレーキをかけるものです。選択肢が紛らわしので注意が必要ですが、「回生制動」が正しい呼び方です。

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02

分巻機発電機の端子電圧Vは、電機子回路の電圧をE、電機子電流をI、抵抗をRとすると
V=E-IR
となります。

電機子回路と励磁回路が並列接続されていることから、電機子電流Iが大きくなるとEが小さくなります。
それに加え、式よりIが大きくなるとIRが大きくなり、Vがさらに小さくなることがわかります。

したがって、電機子電流Iが大きくなると他励発電機より端子電圧が低下します。

また同様に、電機子回路と励磁回路が並列接続されていることから、外部から同じ極性の端子電圧が加えられた場合、励磁回路に流れる電流の向きは変わりません。
したがって界磁電流の向きは発電機運転時と同じです。

以上より2に絞ることができます。

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03

(ア)

分巻発電機の場合の特性は【B】です。 

 

(イ)・(ウ)

界磁電流の向きは発電機運転時と【同じ向き】となり、回転方向は【同じ向き】となります。

 

(エ)

分巻機では、電源電圧を誘導起電力より低くすることで、電動機運転の状態から結線を変更せずに【回生制動】ができ、エネルギーを有効に利用できます。

選択肢2. (ア)B  (イ)同じ向き  (ウ)同じ向き  (エ)回生制動

こちらが正解です。

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