第三種電気主任技術者の過去問
平成27年度(2015年)
機械 問45
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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成27年度(2015年) 機械 問45 (訂正依頼・報告はこちら)
誘導機に関する記述として、誤っているものを次の( 1 )〜( 5 )のうちから一つ選べ。
- 三相かご形誘導電動機の回転子は、積層鉄心のスロットに棒状の導体を差し込み、その両端を太い導体環で短絡して作られる。これらの導体に誘起される二次誘導起電力は、導体の本数に応じた多相交流である。
- 三相巻線形誘導電動機は、二次回路にスリップリングを通して接続した抵抗を加減し、トルクの比例推移を利用して滑りを変えることで速度制御ができる。
- 単相誘導電動機はそのままでは始動できないので、始動の仕組みの一つとして、固定子の主巻線とは別の始動巻線にコンデンサ等を直列に付加することによって回転磁界を作り、回転子を回転させる方法がある。
- 深溝かご形誘導電動機は、回転子の深いスロットに幅の狭い平たい導体を押し込んで作られる。このような構造とすることで、回転子導体の電流密度は定常時に比べて始動時は導体の外側(回転子表面側)と内側(回転子中心側)で不均一の度合いが増加し、等価的に二次導体のインピーダンスが増加することになり、始動トルクが増加する。
- 二重かご形誘導電動機は回転子に内外二重のスロットを設け、それぞれに導体を埋め込んだものである。内側(回転子中心側)の導体は外側(回転子表面側)の導体に比べて抵抗値を大きくすることで、大きな始動トルクを得られるようにしている。
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この過去問の解説 (3件)
01
二重かご形誘導電動機は回転子に内外二重のスロットを設け、それぞれに導体を埋め込んだものです。「外側(回転子表面側)の導体」は「内側(回転子中心側)」の導体に比べて抵抗値を大きくすることで、大きな始動トルクを得られるようにしています。
ここで、巻線型誘導電動機の時に出てくるトルクの比例推移の特性を思い浮かべると理解しやすいです。
つまり、二次抵抗を大きくすることで、滑りが100%付近(始動時)のトルクを大きくしようとする、あの特性です。
始動時の瞬間は滑りがほぼ100%です。この時の始動電流は表皮効果により、回転子の外側に流れやすくなります。
外側の電機子巻線は抵抗が大きいのでトルクは大きくなります。
このため二重かご形誘導電動機始動は、始動トルクが大きくできるメリットがあります。
1、三相かご形誘導電動機に関する正しい記述です。
2、三相巻線形誘導電動機に関する正しい記述です。
3、単相誘導電動機のコンデンサ分相始動法に関する正しい記述です。
4、深溝かご形誘導電動機に関する正しい記述です。
5、上記の通り、誤った記述です。
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02
二重かご形誘導電動機は始動時に大きなトルクが必要となりますが、それは表皮効果による電流の差によるものです。
始動直後は表皮効果という、導体の表面で電流密度が高く、表面以外では低くなる現象が表れるため内部導体に電流が流れにくいのですが、回転速度の上昇に伴い表皮効果が薄れるため、内側導体にも電流が流れやすくなります。
したがって内側導体の抵抗値については関係がなく、5が誤りとなります。
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03
誘導期の基本的な問題です。
下記のとおり解説をしていきます。
【誤り】です。
内側(回転子中心側)の導体は外側(回転子表面側)の導体
【正しく】は、下記のとおりです。
外側(回転子表面側)の導体は内側(回転子中心側)の導体
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