水力発電のエネルギー計算に関する問題です。
水力発電の出力Pは、
P = 9.8 × 流量Q[m^3/s] × 有効水頭H[m] × 効率η
基本この式を使い求めていきます。
① 発電の出力
流量Q = 60 m^3/s
有効水頭H = 総落差ー損失水頭 = 400 - (400×0.03) = 388m
効率η = 0.87
よって出力P=9.8 × 60 × 388 ×0.87 = 198,485.28
近似値の198,500を選びます。
② 揚水にかかる電動機入力
流量Q = 50 m^3/s
有効揚程H = 総落差 + 損失水頭 = 400 + (400×0.03) = 412m
効率η = 1/0.85
よって出力P = 9.8 × 50× 412 × 1/0.87 = 237,505.882
近似値の237,500を選びます。
③ 揚水にかかる時間
"高所にあげる水の量"を"揚水ポンプの流量"で
割ってやると時間が求まります。
高所にあげる水の量=発電に使った水の量
という関係があるので
高所にあげる水の量=発電時間 × 発電時の流量 = 8 × 60 = 480 m^3
揚水にかかる時間 = 高所にあげる水の量 / 揚水時の流量
= 480 / 50 = 9.6 [hour]
④ 揚水発電の総合効率
"発電の電力量"を"揚水に必要な電力量"で
割ってやると求まります。
つまり (①×発電時間) / (②×揚水時間) です。
揚水発電の総合効率 =198,500 × 8 / 237,500 × 9.6
= 1,588,000 / 2,280,000 =0.69649123…
%で換算した近似値の69.6となります。
用語
水頭:発電に使われる水の位置エネルギー、その高さのこと。
揚水:水を高所にあげること。
有効水頭:総落差から得られるエネルギーから、
摩擦等の損失エネルギーを引いたもの。
有効揚程:総落差の高さを引き上げるエネルギーから、
摩擦等で余分にかかるエネルギーを足したもの。