第三種電気主任技術者の過去問
平成28年度(2016年)
理論 問22

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成28年度(2016年) 理論 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

振幅変調について、次の問に答えよ。

次の文章は、直線検波回路に関する記述である。

振幅変調した変調波の電圧を、図2の復調回路に入力して復調したい。コンデンサC[F]と抵抗R[Ω]を並列接続した合成インピーダンスの両端電圧に求められることは、信号波の成分が(ア)ことと、搬送波の成分が(イ)ことである。そこで、合成インピーダンスの大きさは、信号波の周波数に対してほぼ抵抗R[Ω]となり、搬送波の周波数に対して十分に(ウ)なくてはならない。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)及び(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • (ア)ある   (イ)なくなる (ウ)大きく
  • (ア)ある   (イ)なくなる (ウ)小さく
  • (ア)なくなる (イ)ある   (ウ)小さく
  • (ア)なくなる (イ)なくなる (ウ)小さく
  • (ア)なくなる (イ)ある   (ウ)大きく

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この過去問の解説 (3件)

01

復調する際に搬送波が残っていると、信号波を解析するのに邪魔になります。
よって出力端子の端子電圧には、
信号波の成分があることと、搬送波の成分がないことが求められます。

RC並列回路の合成インピーダンスの大きさZは
Z = R /{1 + (2πfRC)^2}
で求められます。

周波数fが十分小さいと分母が0に近づくため、
合成インピーダンスの大きさZが抵抗Rに近似します(Z≒R)。

逆に、fが十分に大きいとZは0に近づきます。(Z≒0)

一般に搬送波は高周波数で、信号波は低周波数です。
(AMラジオでは、搬送波は526.5~1606.5 kHzで、信号波(可聴音の周波数)は100 Hz~7,500 Hzです。)


以上より
アはある
イはなくなる
ウは小さく


選択肢は2.です。

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02

振幅変調した変調波を、図2の復調回路に入力して復調する、という事は、変調波から信号波を取り出す、という事です。すなわち、変調波から信号波の成分を残して出力させ、搬送波の成分をなくして出力させない、という事です。

図2を見ると、コンデンサCおよび抵抗Rが並列接続され、出力へとつながっています。コンデンサCと抵抗Rの両端(=出力)には信号波の成分があり、搬送波の成分がなくなる必要があります。よって、(ア)には‟ある”が、(イ)には‟なくなる”が入ります。

搬送波は信号波に対し、非常に高周波です。コンデンサCは、周波数が高い信号ほど流れ易く、インピーダンスが小さくなります。
復調回路では、コンデンサCの容量を調整し、搬送波の周波数でインピーダンスが十分小さくなるように、また信号波の周波数ではインピーダンスが十分大きくなるようにする必要があります。
すなわち、搬送波の周波数では、コンデンサCによって合成インピーダンスがほぼゼロになり、信号波の周波数ではコンデンサCのインピーダンスが大きくなり、合成インピーダンスがほぼ抵抗Rになります。よって(ウ)には‟小さく”が入ります。

以上より、正解は2.となります。

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03

振幅変調された変調波を復調する際には、信号波の成分があること、そして搬送波の成分がなくなることが求められます。

 

復調回路では、信号波の周波数に対しては抵抗R、搬送波の周波数に対してはコンデンサCで設定します。搬送波の周波数成分をなくすには、搬送波の周波数に対して合成インピーダンスが十分に小さくなるようコンデンサCを設定する必要があります。

 

したがって、正解は以下になります。

(ア):ある

(イ):なくなる

(ウ):小さく

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