第三種電気主任技術者の過去問 平成29年度(2017年) 理論 問6
この過去問の解説 (2件)
コイルLとコンデンサCに蓄えられるエネルギーの公式は
Wc=1/2×CV^2
WL=1/2×LI^2
この回路は直流回路であり、エネルギーを蓄えると記述されているので、回路は定常状態として考えます。
直流回路ではコンデンサは解放、コイルは短絡となるので、抵抗のみの回路として電圧、電流を計算します。
C1の電圧をV1とすると
V1=V×R1/(R1+R2)
V1=40
C2の電圧をV2とすると
V2=V×R2/(R1+R2)
V2=60
電流Iは
I=V/(R1+R2)
I=100/(20+30)
I=2
よって、各コイルとコンデンサに蓄えられるエネルギーは
Wc1=1/2×C1×V1^2
Wc1=1/2×400×10^-6×40^2
Wc1=0.32
Wc2=1/2×C2×V2^2
Wc2=1/2×600×10^-6×60^2
Wc2=1.08
WL1=1/2×L1×I^2
WL1=1/2×20×10^-3×2^2
WL1=0.04
WL2=1/2×L2×I^2
WL2=1/2×40×10^-3×2^2
WL2=0.08
よって、エネルギーの総和Wは
W=Wc1+Wc2+WL1+WL2
W=0.32+1.08+0.04+0.08
W=1.52
以上により、選択肢の【5】が正解となります。
正解:【5】
まずは、インダクタンスのエネルギーを計算します。
インダクタンスL(単位:H)に電流I(単位:A)が流れる場合、蓄えるエネルギーW(単位:J)は次の式で計算できます。
式1) W = 0.5*L*I2
L1とL2に流れる電流を計算するため、次のポイントを考慮します。
・直流電圧を与えているため、容量には一時的に電流は流れますが、定常状態になると電流は流れません。
・この問題において、インダクタンスは抵抗成分を持たないことを前提とします。
この条件から、電流値は抵抗R1とR2から計算できます。
I = E / (R1 + R2)
= 100 / (20 + 30)
= 2 [A]
この値とインデックス値を式1に代入し、それぞれのインダクタンスのエネルギーを計算します。
W_L1 = 0.5*0.02*22
= 0.04 [J]
W_L2 = 0.5*0.04*22
= 0.08 [J]
次は、容量のエネルギーを計算します。
容量C(単位:F)に電圧V(単位:V)が印加される場合、蓄えるエネルギーW(単位:J)は次の式で計算できます。
式2) W = 0.5*C*V2
各容量に印加される電圧を計算するため、C1とC2の接続点の電圧をE1計算します。
E1は、抵抗分圧から計算できます。
E1 = E*R2 / (R1 + R2)
= 100*30 / (20 + 30)
= 60 [V]
C1に印加されている電圧は E − E1です。C2に印加されている電圧は E1 です。
この値と容量値を式2に代入し、それぞれの容量のエネルギーを計算します。
W_C1 = 0.5*0.0004*(100 - 60)2
= 0.32 [J]
W_C2 = 0.5*0.0002*602
= 1.08 [J]
エネルギーの総和は:
W = W_L1 + W_L2 + W_C1 + W_C2
= 0.04 + 0.08 + 0.32 + 1.08
= 1.52 [J]
以上により、選択肢の【5】が正解となります。
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