第三種電気主任技術者の過去問
平成29年度(2017年)
理論 問10

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成29年度(2017年) 理論 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

図のように、電圧E[V]の直流電源に、開いた状態のスイッチS、R1[Ω]の抵抗、R2[Ω]の抵抗及び電流が0Aのコイル(インダクタンスL[H])を接続した回路がある。次の文章は、この回路に関する記述である。

1  スイッチSを閉じた瞬間(時刻t=0s)にR1[Ω]の抵抗に流れる電流は、(ア)[A]となる。
2  スイッチSを閉じて回路が定常状態とみなせるとき、R1[Ω]の抵抗に流れる電流は、(イ)[A]となる。

上記の記述中の空白箇所(ア)及び(イ)に当てはまる式の組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (4件)

01

正解:【1】

1の記述内容は、スイッチを閉じた瞬間の電流についてです。

コイルは電流の急な変化に反発する性質があります。そのためスイッチを閉じた直後、コイルに流れる電流は0 Aで、すべて抵抗R2に流れます。

そのため、電源Eの負荷は R1 + R2 となり、流れる電流は

 I(t=0) = E / (R1 + R2)

となります。

2の記述内容は、定常状態の電流についてです。

定常状態において、抵抗ロスがないコイルを想定した場合、電流はすべてコイルに流れ、コイルはR2を短絡する形になります。

そのため、電源Eの負荷はR1となり、流れる電流は

 I(定常) = E / R1

となります。

以上により、選択肢の【1】が正解となります。

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02

スイッチSを閉じた直後(時刻t=0)のインダクタンスLは解放状態となるので、電流Iは

I=E/(R1+R2)

となります。回路が定常状態の時、インダクタンスLは短絡状態となるので、電流Iは

I=E/R1

以上により、選択肢の【1】が正解となります。

参考になった数1

03

直流回路における過度現象に関する問題です。

問題文の条件1は初期値なのでいわゆる過度状態を表しています。条件2は定常状態となります。

なのでそれぞれの条件で電流が流れる経路が違います。

図の回路はコイル(インダクタンスL[H])R-L回路となっております。

コイル(インダクタンスL)は電流の変化を嫌う性質があるので、スイッチSを閉じた瞬間は開放状態とみなせます。

コイルを開放状態と見なした時、図の回路は抵抗R1、R2が直列接続されている閉回路となりますので流れる電流は次のようになります。

 

・(ア)I=E/R1+R2

 

次に条件2の定常状態に達した時は、コイル(インダクタンスL)は短絡し一本の線(導線)として考える事が出来ます。

その時の電流の流れは抵抗R1のみの閉回路となるので次のようになります。

(イ)I=E/R1

以上がそれぞれの条件を合わせた電流値となります。

各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 解答選択肢の画像

(ア)、(イ)共に冒頭の説明と一致しているのでこの選択肢は適切です。

選択肢2. 解答選択肢の画像

(イ)は冒頭の説明と一致しますが、(ア)は誤っているので不適切です。

選択肢3. 解答選択肢の画像

(ア)、(イ)共に冒頭の説明と一致しないので不適切です。

選択肢4. 解答選択肢の画像

(イ)は冒頭の説明と一致しますが、(ア)は誤っているので不適切です。

選択肢5. 解答選択肢の画像

(ア)は冒頭の説明と一致しますが、(イ)は誤っているので不適切です。

まとめ

今回の問題ではコイルでしたが、コンデンサの場合は初期値が短絡となり、定常値が開放となります。

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04

スイッチを閉じた瞬間、コイルは電流を流すまいとします
(すなわち解放とみなせます)。

したがって、スイッチSを閉じた瞬間に
R1の抵抗に流れる電流は下記のとおりです。

 E/(R1+R2)

次に、スイッチを閉じて時間が経過すると、
コイルは徐々に電流を流すようになり、
定常状態では、コイルを短絡とみなせます。

したがって、スイッチSを閉じて回路が定常状態と
みなせるとき、R1の抵抗に流れる電流は下記のとおりです。

 E/R1

よって、この問題の回答は【1】となります。

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