第三種電気主任技術者の過去問
平成29年度(2017年)
理論 問17

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第三種 電気主任技術者試験 平成29年度(2017年) 理論 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

図のように、線間電圧V[V]、周波数f[Hz]の対称三相交流電源に、R[Ω]の抵抗とインダクタンスL[H]のコイルからなる三相平衡負荷を接続した交流回路がある。この回路には、スイッチSを介して、負荷に静電容量C[F]の三相平衡コンデンサを接続することができる。

スイッチSを開いた状態において、V=200V、f=50Hz、R=5Ω、L=5mHのとき、三相負荷全体の有効電力の値[W]と力率の値の組合せとして、最も近いものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • [有効電力]2.29x103  [力率]0.50
  • [有効電力]7.28x103  [力率]0.71
  • [有効電力]7.28x103  [力率]0.95
  • [有効電力]2.18X104  [力率]0.71
  • [有効電力]2.18x104  [力率]0.95

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

まず、この三相交流回路の一相分を取り出すと、一相分の電圧は 200/√3 V となります。

次に一相分の合成インピーダンスを求めます。

L = 5mHなので、コイルのリアクタンスXLは

 XL = jωL = j × 2π × 50 × 5 × 10^−3 ≒ 1.57 Ω

よって合成インピーダンスZの大きさは

 Z = √(5^2 + 1.57^2) ≒ 5.24 Ω

ZとVが求められたので流れる電流 I が求められます。

 I = V/Z = (200/√3) / 5.24 ≒ 22.04 A

有効電力Pは 3×I^2R で求められるので

 P = 3 × 22.04^2 × 5 ≒ 7.28 × 10^3

となります。

力率cosθは R/Z で求められるので

 cosθ = 5/5.24 ≒ 0.95

となります。

以上より、

有効電力は 7.28×10^3

力率は 0.95

となります。

参考になった数6

02

誘導性リアクタンスXLは

XL=ωL

XL=2πfL

XL=2π×50×5×10^⁻3

XL=1.57

一相のインピーダンスZは

Z=√(R^2+XL^2)

Z=√(25+2.47)

Z≒5.24

相電流Iは

I=200/√3×Z

I≒22

有効電力Pは

P=3RI^2

P=3×5×22^2

P=7.26×10^3

P≒7.28×10^3

皮相電力Sは

S=3ZI^2

S=3×5.24×22^2

S≒7.61×10^3

力率の公式は

力率=有効電力P/皮相電力S

力率=7.26×10^3/7.61×10^3

力率≒0.95

以上により、選択肢の【3】が正解となります。

参考になった数1

03

三相交流回路における計算問題となります。

この問題では三相負荷全体の有効電力の値[W]と力率の値を求めていく問題となります。

まず、問題の条件を整理していきます。

・V=200V、V:線間電圧[V]

・f=50Hz、f:周波数[Hz]

R=5Ω、R:抵抗[Ω]

・L=5mH、L:インダクタンス[mH]

 

三相有効電力を求める公式は以下となります。

・有効電力P=√3×V×I×cosθ[W]‥①

又は次の公式でも求める事ができます。

・有効電力P=3×I2×R[W]‥②

 

どちらでも答えを求める事はできますが、いずれにせよ線電流I[A]を求めなければなりません。

なので、まずは電流から求めていきます。

ここで採用する公式はオームの法則I=V/Zを使用しますので、インピーダンスZ[Ω]から求めます。問題で与えられている条件は抵抗R=5[Ω]とインダクタンスL=5[mH]ですので、インダクタンスをリアクタンス[Ω]に変換します。

・リアクタンスXL=ωL=2πfL=2π×50×5×10-3≒1.57[Ω]

次にインピーダンスZ[Ω]を求めていきます。

・インピーダンスZ=√R2+XL2=√52+1.572≒5.24[Ω]

 

次に線電流I[A]を求めていきます。

ここで1相分の負荷にかかる電圧は相電圧となります。問題で与えられている電圧Vは線間電圧となる為、線間電圧=√3×相電圧の関係より、相電圧は200/√3となります。

以上より線電流I[A]は以下となります。

・線電流I=200/√3/5.24≒22.04[A]

 

よって有効電力P[W]は公式②より次のようになります。

・有効電力P=3×22.042×5≒7286.4[W]=7.28×103[W]

次に力率cosθを求めます。

力率は次のような関係性があります。

・力率=有効電力/皮相電力=抵抗R/インピーダンスZ

以上より力率は次のようになります。

・力率=5/5.24≒0.95

以上となります。

選択肢1. [有効電力]2.29x103  [力率]0.50

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢2. [有効電力]7.28x103  [力率]0.71

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢3. [有効電力]7.28x103  [力率]0.95

解説の冒頭の内容と一致するので適切です。

選択肢4. [有効電力]2.18X104  [力率]0.71

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

選択肢5. [有効電力]2.18x104  [力率]0.95

解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。

まとめ

線間電圧と相電圧の関係性やインダクタンスからリアクタンスの変換などの細かいミスがないよう三相交流回路に対する理解度を深めておきましょう。

参考になった数0