第三種電気主任技術者の過去問
平成29年度(2017年)
理論 問20
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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成29年度(2017年) 理論 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
巻数Nのコイルを巻いた鉄心1と、空隙(エアギャップ)を隔てて置かれた鉄心2からなる図1のような磁気回路がある。この二つの鉄心の比透磁率はそれぞれμr1=2000、μr2=1000であり、それらの磁路の平均の長さはそれぞれI1=200mm、I2=98mm、空隙長はδ=1mmである。ただし、鉄心1及び鉄心2のいずれの断面も同じ形状とし、磁束は断面内で一様で、漏れ磁束や空隙における磁束の広がりはないものとする。
この設問は、(前問)の続きの設問となります。
コイルに電流 I=1Aを流すとき、空隙における磁界の強さH0を2x104A/m以上とするのに必要なコイルの最小巻数Nの値として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
この設問は、(前問)の続きの設問となります。
コイルに電流 I=1Aを流すとき、空隙における磁界の強さH0を2x104A/m以上とするのに必要なコイルの最小巻数Nの値として、最も近いものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
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- 44
- 240
- 4400
- 40400
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この過去問の解説 (3件)
01
NI=Hl
と表されます。この問題は鉄心1、鉄心2、空隙と磁路が分かれていますので、それぞれ分けて式を立てます。
鉄心1の起磁力
NI=H1×l1
鉄心2の起磁力
NI=H2×l2
空隙
NI=H0×l0
よって、合成した起磁力は
NI=(H1×l1)+(H2×l2)×(H0×l0)
この式に問題文で与えられている数値を代入します。
N×1=(H1×l1/H0+H2×l2/H0+l0)×H0
N={(5×10^-4×200×10^-3)+(1×10^ー3×98×10^-3)+(2×10^ー3)}×2×10^4
N≒44
以上により、選択肢の【2】が正解となります。
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02
コイルの最小巻数Nの値を求めるにあたって、公式を一つずつ整理していく必要があります。
まず磁界の強さH[A/m]は以下のように表します。
・H[A/m]=B/μ‥①
続いて磁束密度B[T]は以下のように表します。
・B[T]=Φ/A‥②
磁束Φ[Wb]は次のようになります。
・Φ[Wb]=NI/Rm‥③
磁気回路のオームの法則により磁気抵抗Rmは次のようになります。
・Rm[H-1]=I/μA‥④
次に④の磁気抵抗Rmを③に代入します。
・Φ[Wb]=NI/(I/μA)=NIμA/I‥⑤
次に⑤の磁束Φを②に代入します。
・B[T]=(NIμA/I)/A=NIμ/I‥⑥※断面積Aが消えます。
さらに⑥の磁束密度Bを①に代入します。
・H[A/m]=(NIμ/I)/μ=NI/I‥⑦※透磁率μが消えます。
⑦式からコイルの巻数Nを求める式に変形させていきます。
・H=NI/I
・HI=NI
・N=HI/I‥⑧
以上の⑧式を利用して巻線数Nを求めます。
図1のコイルは直列接続となっているので、鉄心1、鉄心2、空隙部の巻線数を求めて合計すれば答えを求められます。分かりやすいように一つずつ求める事にします。
前問(https://kakomonn.com/denken3/questions/39052)からの継続となりますので、一旦与えられている数値を整理します。
[鉄心1]‥H/H0=5×10-4、I=200[㎜]=200×10-3
[鉄心2]‥H/H0=1×10-3、I=98[㎜]=98×10-3
[空隙部]‥δ=1mm×2箇所
上記の値を⑧式に代入した上で、I=1[A]、空隙における磁界の強さH0=2x104考慮して各巻線数を求めていきましょう。
[鉄心1]‥N=5×10-4×200×10-3×2×104/1=2000×10-3=2
[鉄心2]‥N=1×10-3×98×10-3×2×104/1=196×10-2=1.96
[空隙部]‥N=2×1×10-3×2×104/1=4×101=40
最後に上記で求めた値を合計します。
N=2+1.96+40=43.96≒44
以上のようになります。
解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の内容と一致するので適切です。
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解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。
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磁気回路と電気回路は非常に密接な関係ですので、学習しながら理解を深めていきましょう。
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03
アンペアの周回積分の法則より、磁界の強さは電流I×巻数Nを磁路の長さLで割ったものになります。
式にすると
H = NI/L
となり、これを使って問題を解いていきます。
巻数を求めたいので変形して
N = HL/I
HLについて、ここでは磁路が鉄心1、空隙、鉄心2に分かれているのでそれらの合計を求めます。
I については問題文で 1 A と与えられています。
そこで式を作ると、
N = (H1×L1 + H0×δ + H2×L2 + H0×δ) / 1
これではNが求められないので式を変形(分子の各項をH0で割り、分子全体をH0でかける)して、(分母は1なので省略)
N= { (H1/H0) × L1 + (H2/H0) × L2 + 2δ } × H0
ここで問題文で示された値と、前問で求めた値を代入すると、
N ≒ 43.96
となるので、最も近い 44 が正解です。
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