第三種電気主任技術者の過去問
平成29年度(2017年)
電力 問26
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問題
第三種 電気主任技術者試験 平成29年度(2017年) 電力 問26 (訂正依頼・報告はこちら)
原子力発電に用いられるM[g]のウラン235を核分裂させたときに発生するエネルギーを考える。ここで想定する原子力発電所では、上記エネルギーの30%を電力量として取り出すことができるものとし、この電力量をすべて使用して、揚水式発電所で揚水できた水量は90000m3であった。このときのMの値[g]として、最も近い値を次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
ただし、揚水式発電所の揚程は240m、揚水時の電動機とポンプの総合効率は84%とする。また、原子力発電所から揚水式発電所への送電で生じる損失は無視できるものとする。
なお、計算には必要に応じて次の数値を用いること。
核分裂時のウラン235の質量欠損0.09%
ウランの原子番号92
真空中の光の速度3.0×108m/s
ただし、揚水式発電所の揚程は240m、揚水時の電動機とポンプの総合効率は84%とする。また、原子力発電所から揚水式発電所への送電で生じる損失は無視できるものとする。
なお、計算には必要に応じて次の数値を用いること。
核分裂時のウラン235の質量欠損0.09%
ウランの原子番号92
真空中の光の速度3.0×108m/s
- 0.9
- 3.1
- 7.3
- 8.7
- 10.4
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この過去問の解説 (3件)
01
原子力発電所で発生するエネルギーは、欠損した質量をm、光速をcとして、
E = mc^2
で表されます。(Eの単位はJ、mの単位はKgとなることに注意してください。)
本問について考えてみると、
欠損した質量m【Kg】は
m = M×10^-3×0.09×10^-2
光速cの2乗は
c^2 = 9×10^16
単位をKJにするために10^-3をかけて
E = M×10^-3×0.09×10^-2×9×10^16×10^-3
= 81M×10^6
問題文より、「このエネルギーの30%を電力量として取り出すことができる」とあるので、ここに0.3をかけて
24.3M×10^6
が、この原子力発電所から取り出せる電力量となります。
次に、揚水式発電所で使用した電力量を考えます。
揚水式発電所の電力Pは流速Q、揚程H、効率ηを使って、
P = 9.8QH/η
で表されるので、電力量Wはこれに時間tをかけたものになります。
ここに問題文で示された値を入れると(水量をtで割って流速とするので時間tと打ち消し合ってtは消えます)
W = 9.8×90000×240/0.84
= 252×10^6
揚水式発電所で使用した電力量と、原子力発電所から取り出す電力量は等しいので
24.3M×10^6 = 252×10^6
M ≒ 10.37
よって、最も近い値の 10.4 が正解です。
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02
ウランの核分裂で発生するエネルギーWは、核分裂で失うウランの質量mと光速cによって表現します。
W=mc^2
W=(M/1000×0.09/100)×(3×10^8)^2
W=8.1M×10^10
この内、30%が電気量として取り出されます。
8.1M×10^10×30/100=2.43M×10^10
次に、揚水を行うのに消費するエネルギーPを考えます。水の質量m、重力加速度g、揚程h、電動機とポンプの総合効率ηを使用し表現します。
P=mgh/η
P=90000×10^3×9.8×240/0.84
P=2.52×10^11
発電したエネルギーと揚水に使ったエネルギーは等しいので
2.43M×10^10=2.52×10^11
M≒10.4
以上により、選択肢【5】が正解となります。
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03
この問題では原子力発電に用いられるウラン235の質量M[g]の値を求める問題となります。
問題文章で示されている条件を一つずつ整理していく事が重要となります。ポイントを3つに分けて解説していきたいと思います。
ポイントは次のようになります。
①ウラン235を核分裂させたときに発生するエネルギー
②核分裂させたときに発生するエネルギーの30%を電力量として取り出す。
③上記②の電力量をすべて使用して、揚水式発電所で揚水できた水量は90000m3であった。
まずはポイント①から見ていきます。
①核分裂が起きると分裂前後で質量に差が生じます。これを質量欠損と呼び、核分裂時のウラン235の質量欠損0.09%を考慮する必要があります。核分裂後のエネルギーを求める式はアインシュタインが発見した以下の公式となります。
・E[J]=mC2‥①
※m:質量欠損[㎏]、C:真空中の光の速度[m/s]
①式に問題の条件の数値を代入します。
・E[J]=M×10-3×(0.09/100)×(3.0×108)2=0.81×1011×M[J]
次に上記②の条件を考えていきます。①で求めた値の30%の電力量という事なので次のようになります。
・E[J]=0.81×1011×M×0.30=0.243×1011×M‥②
③の条件より、②で求めたエネルギーの値と揚水式発電所からの電力量はイコールと考えることが出来るので、まずは揚水式発電所からの電力量を求めていきます。求める公式は以下のようになります。
・W=(9.8×QH/η)×3600[kJ]‥③
③式に数値を代入していきますが、ここで注意なのが水量V=90000m3の取り扱いです。エネルギーに換算する際には1時間あたりの数値に換算する必要があるのでQは次のようになります。
・Q=V/3600[m3/s]=90000/3600=25[m3/s]
③式に各数値を代入します。
・W=(9.8×25×240/0.84)×3600=252×106[kJ]
最後に②=③の関係が成り立つのでここから質量M[g]を求めていきます。
・0.243×1011×M=252×109‥④
・M=252×109/0.243×1011≒10.4[g]
以上のようになります。
解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の内容と一致しないので不適切です。
解説の冒頭の内容と一致するので適切です。
原子力発電に関する計算問題は過去にも頻出していますので、繰り返しの学習でコツを掴んで頂く事をお薦め致します。
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