第三種電気主任技術者(電験三種) 過去問
平成29年度(2017年)
問61 (機械 問61)

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成29年度(2017年) 問61(機械 問61) (訂正依頼・報告はこちら)

均等拡散面とみなせる半径0.3mの円板光源がある。円板光源の厚さは無視できるものとし、円板光源の片面のみが発光する。円板光源中心における法線方向の光度I0は2000cdであり、鉛直角θ方向の光度IθはIθ=I0cosθで与えられる。また、円板光源の全光束F[lm]はF=πI0で与えられるものとする。次の問に答えよ。

図1に示すように、この円板光源を部屋の天井面に取り付け、床面を照らす方向で部屋の照明を行った。床面B点における水平面照度の値[Ix]とB点から円板光源の中心を見たときの輝度の値[cd/m2]として、最も近い値の組合せを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。ただし、この部屋にはこの円板光源以外に光源はなく、天井、床、壁など、周囲からの反射光の影響はないものとする。
問題文の画像
  • [ 水平面照度(lx)]64   [ 輝度(cd/m2)]5000
  • [ 水平面照度(lx)]64   [ 輝度(cd/m2)]7080
  • [ 水平面照度(lx)]90   [ 輝度(cd/m2)]1060
  • [ 水平面照度(lx)]90   [ 輝度(cd/m2)]1770
  • [ 水平面照度(lx)]255  [ 輝度(cd/m2)]7080

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この過去問の解説 (3件)

01

解答
B地点の被照面の法線照度(光源に垂直な向き)をEn[lx]、光度をI[cd]、光源から被照面までの距離をl[m]とすると、距離の逆2乗の法則より
En=I/l^2[lx]・・・・・(1)
となります。
入射角(B地点の光源向きベクトルと床に垂直なベクトルの角度)をθ[rad]とすると水平面照度(床面に垂直な照度)Eh[lx]は
Eh=En・cosθ[lx]・・・・・(2)
となります。
(1)式を(2)式に代入すると
Eh=I/l^2・cosθ
となります。さらに問題文よりIはI=I0・cosθと表されますので、
Eh=I0/l^2・cosθ^2
となります。ここでcosθ=1/√2なので
Eh=2000/(2.8×√2)^2×1/2=63.7755…=64[lx]

次にB地点から光源を見たときの見かけ上の面積S2[m^2]は入射角θの位置から見ているので円板光源の面積をS1とすると
S2=S1・cosθ[m^2]
となります。輝度をL[cd/m^2]とすると
L=I/S2
となりますので数値を代入しますと
L=I0・cosθ/(S1・cosθ)=2000/π×0.3^2=7077.1408….=7080[cd/m^2]
となります。
よって答えは2番の[水平面照度(lx)]64、[輝度(cd/m^2)]7080となります。

解説
照明問題は多くの公式があり、またどの角度を取ったら良いのか、公式同士の代入から変換までをしっかり覚えておく必要があると思います。

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02

照度(Ix)と輝度(cd/m^2)を求める問題です。

まずは、照度(Ix)を求めます。
照度(lx)は、光度(cd)/距離の2乗で求められます。

光源からB点を照らしている照度をEb(Ix)とすると、光源がIθ(cd)で
距離をR(m)とした場合、

Eb=Iθ/(R^2) ---①
となります。

角度θは、図1より高さが2.8(m)で、AB間の距離が2.8(m)なので、
θ=45°になります。

Iθ=I0×cosθなので、I0=2000(cd)より
Iθ=2000×cos45°=2000×(1/√2)=1414.23(cd) ---②

R^2=√(2.8^2+2.8^2)より
R=2.8√2=3.9598=3.96(m) ---③

式①に、式②と式③を代入すると
Eb=1414.23/(3.96^2)=90.184(lx)

Ebは、水平面に対して角度θの照度です。

問題で問われているのは、水平面照度です。
水平面照度=Eb×cosθとなります。

角度θは45°なので
水平面照度=90.184×(1/√2)=63.77≒64(lx)
となります。


次に、輝度(cd/m^2)を求めます。

輝度(cd/m^2)は、単位面積(m^2)あたりの光度(cd)になります。
光源からB点の単位面積あたりの光度を求めます。

B点から光源を見ると、角度θで見上げるようになります。
角度θは、照度の際に求めた角度と同様でθ=45°になります。

光源の面積S(m^2)を求める式は、光源の半径をr(m)とすると

S=2π×r^2
となります。

光源の半径は0.3(m)と問題文で与えられていますので、
光源の面積Sは

S=π×(0.3^2)=0.2826(m^2)
となります。

この光源をB点から見上げた時の面積Sbは、
Sb=S×cosθとなるので、S=0.2826より

Sb=0.2826×(1/√2)=0.1998(m^2) ---④
となります。

光度Iθ(cd)は、照度を求めた際に求めていました。
(式② Iθ=2000×cos45°=2000×(1/√2)=1414.23(cd) )

B点での輝度(cd/m^2)=Iθ/Sbとなりますので、
式④を代入して

1414.23/0.1998=7078.228≒7080(cd/m^2)
となります。


問題となっていB点の水平面照度と輝度の組合せは、
水平面照度=64(lx)、輝度=7080(cd/m^2) となります。

よって、問題の正解は「2」になります。

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03

円板光源の輝度に関する計算問題です。

選択肢2. [ 水平面照度(lx)]64   [ 輝度(cd/m2)]7080

◆円板光源、A点、B点で結ばれる三角形がどんな三角形かを求めます

 

 

A-B間の距離:2.8[m]

光源から床面までの高さ:2.8[m]

光源と床面の角度:90[°]

 

以上の条件から、二等辺三角形であることが分かります。

 

したがって、図中にあるcosθは、三角比から

 

cosθ=1/√2

 

となります。

 

また、円板光源からB点間の距離をlとすると三角比の関係から

 

l=2.8√2

 

となります。

 

 

◆水平面照度を求めます

水平面照度の公式より、

 

Eh=Encosθ

=(I0cosθ/l2)✕cosθ ※法線照度En=I0cosθ/l2の公式より

=I0cos2θ/l2

=2000✕(1/√2)2/(2.8√2)2

≒64[lx]

 

◆輝度を求めます

まず、B点から見た光源の面積を求めます。

 

S=πr2cosθ

=π✕0.32✕(1/√2)

=0.09π/√2

 

次に、輝度の公式から輝度を求めます。

 

L=Iθ/S

=I0cosθ/S

=2000✕(1/√2)/0.09π/√2

≒7074[cd/m2]

 

したがって、最も近い選択肢は

 

64[lx]

7080[cd/m2]

 

となります。

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