第三種電気主任技術者の過去問
平成29年度(2017年)
法規 問76

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問題

第三種 電気主任技術者試験 平成29年度(2017年) 法規 問76 (訂正依頼・報告はこちら)

電気使用場所の配線に関し、次の問に答えよ。

周囲温度が50℃の場所において、定格電圧210Vの三相3線式で定格消費電力15kWの抵抗負荷に電気を供給する低圧屋内配線がある。金属管工事により絶縁電線を同一管内に収めて施設する場合に使用する電線(各相それぞれ1本とする。)の導体の公称断面積[mm2]の最小値は、「電気設備技術基準の解釈」に基づけば、いくらとなるか。正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
ただし、使用する絶縁電線は、耐熱性を有する600Vビニル絶縁電線(軟銅より線)とし、表1の許容電流及び表2の電流減少係数を用いるとともに、この絶縁電線の周囲温度による許容電流補正係数の計算式は √((75-θ)/30) (θは周囲温度で、単位は℃)を用いるものとする。
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この過去問の解説 (2件)

01

周囲温度と定格電流から使用する電線の導体の公称断面積(mm2)の
最小値を求める問題です。

「定格電流」と「選択肢の導体の公称断面積の許容電流」を
比べるのですが、
選択肢の導体の許容電流には、周囲温度と同一管内の電線数を
考慮しなければなりません。

それでは、答えを導いていきます。

まず最初に、定格電流を求めます。
問題文より、
定格電圧210V、三相3線式、定格電力15kW、抵抗負荷(力率100%)ですので

定格電力P=√3×定格電圧V×定格電流I×1.0(力率) より

定格電流I=15,000/(√3×210×1)=41.24(A)

導体の公称断面積の許容電流が41.24(A)以上となる最小値の選択肢を求めます。
ただし、周囲温度と電線数を考慮します。

周囲温度は、50℃ですので、許容電流補正係数の計算式(√((75-θ)/30)より
周囲温度による補正数は、

 √((75-50)/30)=√(5/6)=0.91258 ---①

金属管工事により、三相3線式の絶縁電線を同一管内に収めて施設するので、
同一管内の電線数は、3本です。

表2より、
電流減少係数=0.7 ---②
となります。

この15kWの抵抗負荷の定格電流は、41.24(A)ですが、
①と②を考慮して、より大きな電流を許容しなければいけません。

①と②を考慮すると、この15kWの抵抗負荷の電線許容電流は、
41.24÷(0.91258×0.7)=64.55794(A)
となります。

よって、導体の公称断面積は、64.558(A)以上が流せる面積の最小値となります。

選択肢の中では、88(A)が許容電流である、14(㎜2)が最小値となります。

よって、正しいものは「4」になります。

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02

解答・解説
電気設備の技術基準の解釈からの問題です。
計算問題ですが、低圧配線に使用する電線は第146条で規定されています。(省令としては57条となります。)

抵抗負荷の消費電力をP=15000[W]、定格電圧をV=210[V]、とすると電流I[A]は
I=P/(√3×V)=15000/(√3×210)=41.22393…=41.24[A]
電線の許容電流はこの値以上あれば良いことになります。
金属管工事により三相3線式の電線を施設しますので、表2より電流減少係数は0.7を選択します。
また、絶縁電線の周囲温度による許容電流補正係数は題意より
√((75-50)/30)=0.91258709…=0.913
となりますので、
許容電流×電流減少係数×許容電流補正係数>負荷電流
となれば良いことになります。
3.5[mm^2]の電線そもそも許容電流以上ですので不可。
5.5[mm^2]の電線は
49×0.7×0.913=31.3159…=31[A]
となりますので不可。
8[mm^2]の電線は
61×0.7×0.913=38.9851…=39[A]
となりますので不可。
14[mm^2]の電線は
88×0.7×0.913=56.2408…=56[A]
となりますので、導体の公称断面積の最小値は4番の14[mm^2]となります。

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