この問題は、極板間に比誘電率εr(1以上)の誘電体を挿入する前後で
コンデンサの電界の強さの違いを比較します。
挿入前の電荷は、
C0=ε0×S/d0 ---①
となります。
仮で εr=2、d0=1(m)、d1=0.25(m)とすると、
式①は、
C0=ε0×S ---②
となります。
挿入後の電荷は、
C1=ε0×εr×S/(d1)+ε0×S/(d0-d1) ---③
C0の時と同様に、仮で εr=2、d0=1(m)、d1=0.25(m)とすると、
式③は
C1=ε0×2×S/0.25+ε0×S/0.75=8×(ε0/S)+1.33×(ε0/S)=9.33×ε0/S
C1=9.33×ε0×S ---④
式①と式④より
挿入後の静電容量C1は、
C1=9.33×C0 ---⑤
式⑤より
挿入前に比べて挿入後の静電容量は、増えます。
静電容量Cが増えますので、Q=CVより
挿入後コンデンサの電荷Qは、Cの増加分だけ増えます。
面積がS(m^2)の平行板コンデンサの陽極と陰極にそれぞれ+Q(C),−Q(C)の電荷があるときは、
電界の強さE=Qε/Sなので、挿入後は電界の強さは増加します。
よって、固体誘電体を挿入する前の値と比べて強くなるので、
(ア)は「強くなる」になります。
誘電体ではなく、導体(厚さd2<d0)を挿入すると、
挿入前のC0は式②と同じです。
C0=ε0×S ---②
挿入後の電荷は、
C2=ε0×S/(d0-d2)
仮で d0=1(m)、d1=0.25(m)とすると
C2=ε0×S/(1-0.25)=1.33(ε0×S) ---⑥
式②と式⑥より
挿入後の静電容量C2は、
C2=1.33×C0 ---⑦
式⑦より
挿入前に比べて挿入後の静電容量は、増えます。
静電容量Cが増えますので、Q=CVより
挿入後コンデンサの電荷Qは、Cの増加分だけ増えます。
電界の強さE=Qε/Sなので、挿入後は電界の強さは増加します。
よって、導体を挿入する前の値と比べて強くなるので、
(イ)は「強くなる」になります。