第三種電気主任技術者の過去問
令和元年度(2019年)
理論 問21

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和元年度(2019年) 理論 問21 (訂正依頼・報告はこちら)

図1は、二重積分形A - D変換器を用いたディジタル直流電圧計の原理図である。次の問に答えよ。

図1のように、負の基準電圧−Vr(Vr>0)[V]と切換スイッチが接続された回路があり、その回路を用いて正の未知電圧Vx(>0)[V]を測定する。まず、制御回路によってスイッチがS1側へ切り換わると、時刻 t = 0sで測定電圧Vx[V]が積分器へ入力される。その入力電圧Vi[V]の時間変化が図2( a )であり、積分器からの出力電圧Vo[V]の時間変化が図2( b )である。ただし、t = 0sでの出力電圧をVo = 0Vとする。時刻 t1におけるVo[V]は、入力電圧Vi[V]の期間 0〜t1[s]で囲われる面積Sに比例する。積分器の特性で決まる比例定数を k(>0)とすると、時刻 t = T1[s]のときの出力電圧は、Vm = ( ア )[V]となる。
定められた時刻 t = T1[s]に達すると、制御回路によってスイッチがS2側に切り換わり、積分器には基準電圧−Vr[V]が入力される。よって、スイッチS2の期間中の時刻 t[s]における積分器の出力電圧の大きさは、Vo = Vm - ( イ )[V]と表される。
積分器の出力電圧Voが0Vになると、電圧比較器がそれを検出する。Vo = 0Vのときの時刻を t = T1 + T2[s]とすると、測定電圧はVx = ( ウ )[V] と表される。さらに、図2( c )のようにスイッチS1, S2の各期間T1[s]、T2[s]中にクロックパルス発振器から出力されるクロックパルス数をそれぞれN1, N2とすると、N1は既知なのでN2をカウントすれば、測定電圧Vxがディジタル信号に変換される。ここで、クロックパルスの周期Tsは、クロックパルス発振器の動作周波数に( エ )する。

上記の記述中の空白箇所(ア)、(イ)、(ウ)及び(エ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の( 1 )~( 5 )のうちから一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

正しい組み合わせは、以下の通りです。

選択肢1. 解答選択肢の画像

【解説】

(ア)

題意より、出力電圧Voは入力電圧Viと時刻の積に比例します。よって

 Vo(T1)=kVxT1

となります。

(イ)

スイッチ S2 の期間中の時刻 t [s] における積分器の出力電圧の大きさVoは、Vmから-VrをT1~tで積分した面積を差し引いた大きさになります。よって、

 Vo=Vm-kVr(t-T1)

となります。

(ウ)

時刻 t = T1 + T2[s]の時のはVo は

 Vo= Vm-kVr(T1+T2-T1)

  =kVxT1-kVrT2

となります。この時Vo=0なので、

 0=kVxT1-kVrT2 より

 Vx=T2/T1*Vr

となります。

(エ)

一般的に周期と周波数は「反比例」関係にあります。

参考になった数2

02

正解は以下の通りです。

選択肢1. 解答選択肢の画像

(ア)

Vo[V]は、入力電圧Vi[V]の期間0~T1[s]で囲われる面積Sに比例するので、図2(a)より、面積と比例定数kを乗じて、下記のようになります。

Vm=k×Vx×T1

(イ)

Vo[V]は、入力電圧Vi[V]の期間t[s]で囲われる面積Sに比例するので、T2=t-T1[s]とすると、次のようになります。

Vo=Vm-kVr×(t-T1)

(ウ)

Vo[V]が0[V]になるとき、上記の式より下記の式が成立します。

0=Vm-k×Vr×(t-T1)

ここで、Vm=k×Vx×Ts、t=T1+T2とすると、

0=k×Vx×T1-k×Vr×(T1+T2-T1)

これを解くと、

k×Vx×T1=k×Vr×T2

Vx=T2/T1×Vr

(エ)

クロックパルス周期Tsは、クロックパルス発振器の動作周波数の逆数となるので、反比例しているといえます。

参考になった数0