第三種電気主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
理論 問16

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問題

第三種 電気主任技術者試験 令和2年度(2020年) 理論 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

図のように、線間電圧(実効値)200Vの対称三相交流電源に、1台の単相電力計W1、X=4Ωの誘導性リアクタンス3個、R=9Ωの抵抗3個を接続した回路がある。単相電力計W1の電流コイルはa相に接続し、電圧コイルはb−c相間に接続され、指示は正の値を示していた。この回路について、次の問に答えよ。
ただし、対称三相交流電源の相順は、a、b、cとし、単相電力計W1の損失は無視できるものとする。

単相電力計W1の指示値[kW]として、最も近いものを次の選択肢の中から一つ選べ。
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この過去問の解説 (2件)

01

正解は「3」です。

対称三相交流の電力に関する問題です。

◆電力の測定範囲について

・回路図の通り,単相電力計 W1は線間電圧 Vbcと相電流 Ia を測定 しています。

◆相電流Iaについて

Iaを求めるため,a相のみのインピーダンスを算出する必要があるためΔ−Y変換を行います。

・Δ−Y変換では抵抗値は1/3倍となるため,RY = 3[Ω],XL = 4[Ω]となり,1相分の合成インピーダンスZ[Ω]は次の通りです。

*Z = √(RY2 + XL2) = √(32 + 42) = 5[Ω] ・・・①

・Vbc = 200[V]は線間電圧で相電圧Vpは200/√3 ・・・②となります。

・①,②を用いて次の通り,Iaを算出します。

*Ia = VP/Z = (200 / √3)/5 = 23.09[A] ・・・③

◆VbcとIaの位相について

・VbcとIaの位相は,sinθとなります。

・sinθを求めるため,力率cosθを次の通り求めます。

*cosθ = R/Z = 3/5 = 0.6 ・・・④

・④を次の式に代入します。

*sinθ = √1 − cosθ2 = √1 − 0.62 = 0.8 ・・・⑤

◆交流単相電力W1について

・交流単相電力 = 電圧 × 電流 × 位相 となります。

・Vbc = 200[V],③および⑤で求めた値を次の式に代入し算出します。

*W1 = Vbc × Ia × sinθ = 200 × 23.09 × 0.8 = 3,694 ≒ 3.7[kw]

よって,正解は「3」の3.7[kw]となります

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02

正解は3です。

単相電力計W1には、線間電圧 Vbcと、相電流 Iaが流れます。
よって、単相電力計の指示値Pは、下記の式で求めることができます。

 P = Vbc × Ia × cosθ ・・・①

ここでVbcとIaの位相差θは、下記の関係となります。

 θ = 90°− φ ・・・②

また、力率cosφは、1相分の回路で考えると、下記の式で求めることができます。

 cosφ = R / √(X2 + R2) = 3 / √(42 + 32) = 0.6

①に②を代入すると、下記のような式が成り立ちます。
 P = Vbc × Ia × cosθ
 P = Vbc × Ia × cos(90°− φ)
 P = Vbc × Ia × sinφ ・・・③

1 = sinφ2 + cosφ2より、sinφ2 = 1 − cosφ2となり、

これを③に代入すると、下記のようになります。

 P = Vbc × Ia × sinφ
 P = Vbc × Ia × √ 1 - cosφ2 ・・・④

ここで相電流 Iaは、下記式で求められます。

 Ia = Va / √(Ra2 + Xa2)  〔 Ia:a相電流、Va:a相電圧〕

 Ia = (200/√3) / √(92 + 42)
 Ia ≒ 23.09 [A]

上記相電流の値を④に代入すると、下記のように計算することができます。

 P = 200 × 23.09 × √ 1 - 0.62 ≒ 3694 [W] ≒ 3.7 [kW]

したがって、3 の「3.7」が正解です。

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