第三種電気主任技術者の過去問
令和2年度(2020年)
電力 問25
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
第三種 電気主任技術者試験 令和2年度(2020年) 電力 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
次のa)〜e)の文章は、汽力発電所の保護装置に関する記述である。
これらの文章の内容について、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の選択肢の中から一つ選べ。
a)蒸気タービンの回転速度が定格を超える一定値以上に上昇すると、自動的に蒸気止弁を閉じて、タービンを停止する非常調速機が設置されている。
b)ボイラ水の循環が円滑に行われないとき、水管の焼損事故を防止するため、燃料を遮断してバーナを消火させる燃料遮断装置が設置されている。
c)負荷の緊急遮断等によって、ボイラ内の蒸気圧力が一定限度を超えたとき、蒸気を放出させて機器の破損を防ぐため、蒸気加減弁が設置されている。
d)蒸気タービンの軸受油圧が異常低下したとき、タービンを停止させるトリップ装置が設置されている。
e)発電機固定子巻線の内部短絡を検出・保護するために、比率差動継電器が設置されている。
これらの文章の内容について、適切なものと不適切なものの組合せとして、正しいものを次の選択肢の中から一つ選べ。
a)蒸気タービンの回転速度が定格を超える一定値以上に上昇すると、自動的に蒸気止弁を閉じて、タービンを停止する非常調速機が設置されている。
b)ボイラ水の循環が円滑に行われないとき、水管の焼損事故を防止するため、燃料を遮断してバーナを消火させる燃料遮断装置が設置されている。
c)負荷の緊急遮断等によって、ボイラ内の蒸気圧力が一定限度を超えたとき、蒸気を放出させて機器の破損を防ぐため、蒸気加減弁が設置されている。
d)蒸気タービンの軸受油圧が異常低下したとき、タービンを停止させるトリップ装置が設置されている。
e)発電機固定子巻線の内部短絡を検出・保護するために、比率差動継電器が設置されている。
- a:適切 b:適切 c:不適切 d:適切 e:適切
- a:不適切 b:不適切 c:不適切 d:不適切 e:適切
- a:適切 b:適切 c:不適切 d:適切 e:不適切
- a:不適切 b:適切 c:適切 d:不適切 e:適切
- a:不適切 b:不適切 c:適切 d:適切 e:不適切
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
[a]適切です。
蒸気タービンの回転速度が異常に速くなると、
タービンの設計上の条件を満たさなくなり、
タービンが破損する恐れがあります。
これを防止するために非常調速機があり、
役割は[a]の通りです。
[b]適切です。
燃料遮断装置は、ボイラ水の循環が正常に行われないとき、
燃料を遮断してバーナを消火し、ボイラを停止させる装置です。
[c]不適切です。
この[c]の内容は「安全弁」の説明です。
蒸気加減弁は、ボイラから蒸気タービンへ送られる蒸気の流量を
調整する機構です。
その目的は安全対策ではなく、出力の調整です。
[d]適切です。
軸受とは、タービンの回転軸を受ける部分です。
この部分は、摩耗、焼き付きの防止のため、油による潤滑を保っています。
油圧の低下により、潤滑油膜を保てなくなると、故障に繋がるため、
タービンを停止させるトリップ装置が備えられています。
[e]適切です。
発電機への流入電流と、発電機からの流出電流は、理論的には同じ値です。
しかし内部短絡といった故障により、その大きさに差が発生した際、
差動継電器がこの差電流を検出します。
比率差動継電器は、差電流の比率が一定値を超えた場合に作動するものです。
以上より、[c]だけが不適切であり、選択肢[1]が正解です。
[e]が分からなければ正解が[1]か[3]かを判断できないですが、
変圧器の内部故障の検出にも差動継電器が使われます。
汽力発電に限定せず、広い知識を付けておくことができれば、
推測する事ができます。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
02
正解は1です。
a)→ 適切です。
通常時、蒸気タービンの回転速度は、調速機により一定速度に保たれています。
しかし、回転速度が急上昇してしまうと大事故につながってしまうため、調速機とは別にタービンへの蒸気の流入を遮断し停止させる非常調速機を設置します。
b)→ 適切です。
ボイラ運転中に、給水ポンプの故障等でボイラ水の循環が円滑に行われないと、水管の焼損事故が発生します。
それを防ぐため、燃料遮断装置が設置されており、燃料を遮断することでボイラを停止させます。
c)→ 不適切です。
負荷の緊急遮断等によって、ボイラ内の蒸気圧力が一定限度を超えたとき、蒸気を放出させて機器の破損を防ぐために設置されているのは「安全弁」です。
安全弁は技術基準で設置が義務付けられており、加熱器や再熱器など、必要な場所に必要な個数を設置しなければなりません。
なお、「蒸気加減弁」とは、調速機で検出した回転数と発電機負荷に基づく制御装置から制御信号を受け、蒸気流量を調整し、蒸気タービンの回転数および負荷を制御する弁のことをいいます。
d)→ 適切です。
蒸気タービンの軸受油圧が異常低下したとき、タービンを停止させる油圧低下トリップ装置が設置されます。
e)→ 適切です。
固定子巻線の短絡保護には、差電流の大きさではなく、差電流の通過電流に対する比率が設定値以上になると動作する比率差動継電器が設置されます。
これらより、1 の「a:適切 b:適切 c:不適切 d:適切 e:適切」が正解となります。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問24)へ
令和2年度(2020年)問題一覧
次の問題(問26)へ